「言葉の意味が分かること」の要旨をとらえる(その1)
「文章の要旨をとらえ,自分の考えを発表しよう」はこの単元の単元名であると同時に、単元目標でもあります。
単元目標は大きく2つに分かれ、その1つが「文章の要旨をとらえることができる」です。
つまり、「見立てる」と「言葉の意味が分かること」という2つの教材の学びを通して、子どもに「要旨のとらえ方」のスキルが育たなくてはなりません。
「尾括型」文章の「要旨のとらえ方」は、「おわり」の段落の要点が要旨です。要約と混同するような指導さえしなければ、とくに問題はありません。
「両括型」文章の「要旨のとらえ方」は、「はじめ」と「おわり」の段落の要点をベースにまとめます。その際、題名やキーワードも大きなカギになることを練習文「見立てる」で学びました。
いよいよ、本文「言葉の意味が分かること」に挑戦です。
文章構成図は、見える場所に掲示します。
これは「尾括型」の図ですが、これが基本です。今回は、「はじめ」の部分に青色の囲みを重ね張りして「両括型」を意識させます。
重ね張りのタイミングですが、
クラスに力がある場合は、段落分けで「はじめ」に「問い」がなく、「主張」が書かれていると子どもが見つけた時点で、
クラスに力がない場合は、段落分けの前に「通告」します。
まず、全文の形式段落に番号を付けます。
次は、段落分けです。
「はじめ」の段落を見つけます。
「問い」の文は、疑問文です。「主張」の文は、文末が断定表現です。
つづいて「おわり」の段落を見つけます。
残りが「なか」になります。この文は「なか」が2つに分かれますので、それもやっておきます。
「言葉の意味が分かること」には12の形式段落があり、「はじめ」が①段落で「おわり」が⑪・⑫段落です。「なか」は、②~④(「なか 1」)と⑤~⑩(「なか 2」)にわかれます。さらに「なか 2」は、⑤~⑦と⑧~⑩に細分化することもできます。
本文のあとの「学習」ページに、学びの進め方が提示されています。
そこに、「要旨のまとめ方」が示されています。
要旨をまとめるときには、次のことに気をつけよう。
・文章の話題と、全体の構成を確かめる。
・筆者の考えをまとめる。
構成についてはすでにくり返し触れてきました。筆者の主張が「はじめ」と「おわり」の段落に出てきます。
「話題」については、
話題のとらえ方の《ワザ》
文のつながりぐあいから「話題」をとらえる。
〈ヒント〉
(1)はじめの文の主語はどうか
(2)終わりの文の主語はどうか
(3)何回も出てくることばはないか
というスキルを紹介しているページ(国語力を磨こう ④ 話題/中心語句/中心文/中心段落)をご覧ください。
(1)はじめの文の主語はどうか
はじめの文の主語は「あなたは」ですが、はじめの段落の中心文の主語は「『言葉の意味が分かる』ことは」です。
(2)終わりの文の主語はどうか
終わりの文の主語は省略されています(「みなさんは」が主語です)。おわりの段落の中心文の主語は、「言葉の意味を『面』として考えることは」です。
(3)何回も出てくることばはないか
「言葉の意味」(題名を含めて11回出てきます)
さらに、「言葉の意味」に付随して「分かる」「広がり」「面」という言葉が多く出てきます。
以上のことから、話題は「言葉の意味が分かる」「言葉の意味の広がり」といった「言葉の意味」に関することだと分かります。
さあ、「外枠」の準備は整いました。