小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第3回は「石の上にも三年」です。
石の上にも三年
「石の上にも三年」の読み方
いしのうえにもさんねん
「石の上にも三年」の意味
(石の上でも3年続けてすわれば暖まるとの意から)辛抱すれば必ず成功するという意(広辞苑)
「三年」は3年ちょうどの意味ではなく、多くの月日を表しています。
「石の上にも三年」の使い方
「商人(あきんど)、職人によらず、住なれたる所を替(かゆ)る事なかれ。石の上にも三年と俗言(ぞくご)に伝へし」(井原西鶴『西鶴織留(さいかくおりどめ) 四』1694)
「石の上にも三年」の語源・由来
「石の上にも三年」の由来は定かではありません。
中国の逸話が元になっているという説と、インドの逸話が元になっているという説があります。「言の葉手帳」から、該当部分を引きます。
中国の逸話
達磨(だるま)大使からきているという逸話です。
達磨(だるま)大使は、もともとインド人の仏教の僧ですが、中国禅宗の開祖と言われています。
日本では、縁起物の「だるま」がありますが、あれは達磨(だるま)大使が座禅をしている姿を表現したものなんです。
達磨(だるま)大使のことが「石の上のも三年」のもとになった逸話だというのは、こういう故事があるからなんです。
それは、達磨(だるま)大使が無言のまま、壁に向かって9年間も座禅を続け、悟りを得たという故事です。
もっとも、この故事から「面壁九年(ねんぺきくねん)」という故事成語も生まれています。
三年どころか九年も無言で座禅を続け、悟りを開いた故事から、「石の上のも三年」が生まれたという説なんです。
インドの逸話
古代インドに、バリシバ尊者というかたがいました。
バリシバ尊者は、80歳になってから出家し修行をしました。
古代インドでは、悟りを得るために、いろんな苦行を行う僧が大勢しました。
バリシバ尊者も、石の上で座禅を行い、なんと!三年間の間、横たわって休むことをしなかったといわれています。
石の上で座禅し、三年間も横になって休むことをしなかった=「石の上にも三年」とそっくりです!
この、バリシバ尊者の故事が「石の上にも三年」ということわざを生んだという説なんです。
「石の上にも三年」の蘊蓄
「石の上にも三年」の類語
雨の後は上天気
嵐の後には凪がくる
茨の中にも三年の辛抱
牛の歩みも千里
菰の上にも三年
三年居れば温まる
辛抱する木に金がなる
火の中にも三年
待てば海路の日和あり
待てば甘露の日和あり