教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

日本語探訪(その20) 慣用句「馬が合う」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第7回は「馬が合う」です。

 

馬が合う

 

「馬が合う」の読み方

うまがあう 

 

「馬が合う」の意味

(乗り手と馬とが一体になる意か)気が合う。意気投合する。(広辞苑

 

「馬が合う」の使い方

浄瑠璃、山崎与次兵衛寿の門松「町人とは馬が合ふまい」

 

「馬が合う」の語源・由来

馬が合うとはもともと乗馬で使われた言葉である。騎手と馬が合わない場合、振り落とされることがあり、逆に騎手と馬の息が合うと騎手の実力以上の力を馬が発揮するとも言われている。ここから馬と息があうことを馬が合うといった。後にこれが人と人との関係にも使われるようになり、人と気が合い、しっくりいくことや意気投合することを意味するようになる。また、人以外にも車や楽器などクセのある物に対しても使われる。(日本語俗語辞書)

 

 

「馬が合う」の蘊蓄

「TRANS.Biz」の解説がなかなか深いです。

「馬が合う」は2つの物の相性が合う様子を表現する時に使う
「馬が合う」は、2つの物の相性がぴったり合う様子を表現したいときに使います。その2つは「人と人」とは限らず、「人と物」の場合もあります。「馬が合う」は、肯定的・否定的の両方の場面で応用して使うことができます。“ただ気が合う”というよりも、“相手が特別な存在である”という印象を与えることができます。

否定形で使うと「付き合いにくい人」というニュアンスにもなる
「馬が合う」を否定形にすると「考え方や方向性が合わない」「気が合わない」となり、「付き合いにくい人」という印象を対象者に与えます。ビジネスシーンで使われることも多いです。

 

「馬が合う」の類語

反りが合う(そりがあう)

これもまた「TRANS.Biz」の解説がなかなか深いです。

「馬が合う」の類義には、意味がほとんど同じの「反りが合う(そりがあう)」があります。異なる点は「馬が合う」は「人と物」でも使うことがあるのに対し、「反りが合う」は「人と人」との関係を主に表現しているということです。とくに男女の関係を表現することが多く、「反りが合わない」とネガティブなニュアンスで使われることがほとんどです。