教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

日本語探訪(その21) 慣用句「瓜二つ」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第8回は「二つ」です。教科書の表記は、「うり二つ」となっています。

 

二つ

 

二つ」の読み方

うりふたつ 

 

二つ」の意味

瓜を二つに割った形がそっくりなところから、兄弟などの容貌が甚だよく似ていることにいう。(広辞苑

 

二つ」の使い方

「あの親子は瓜二つだ」 

 

※「瓜二つ」の使い方については2つの考え方があります。

①「そっくり」が、外見や外形だけでなく、性格、性質や内容、そして状態や行動の様子など、あらゆる面についていうのに対して、「瓜二つ」は人間の顔形がよく似ている場合にいう。

② 「瓜二つ」は、人や物、思想など多岐にわたって使える。

最後は日本語のセンスの問題になってしまいますが、私は①派です。

 

二つ」の語源・由来

瓜を縦に2つに割った形がそっくりであることが「瓜二つ」の由来です。

ちなみに、この瓜は「マクワウリ」(真桑瓜)です。

農林水産省のホームページから引用します。

マクワウリはウリ科キュウリ属の一年生草本です。
東アジアで発達した東洋系のメロンの仲間で、日本へは2000 年以上前に中国や朝鮮半島から伝来したとされます。
古事記」や「万葉集」にも記載があり、古くは‘ウリ'といえばマクワウリのことを指し、カラウリ、アジウリとも呼ばれていました。マクワウリの名前は美濃国真桑村(現、岐阜県本巣市)が特産地と知られたことによります。

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『新レインボー 写真でわかる はじめてことわざ・四字熟語辞典』より

 

 

二つ」の蘊蓄

「瓜」という漢字の蘊蓄

「瓜に爪あり爪に爪なし」 (うりにつめありつめにつめなし)

「瓜」という字にはつめがあり、「爪」という字にはつめがないの意で、瓜と爪の字画のちがいを教える文句です。

「つめ」は

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です。

「うりにつめあり、つめにつめなし」は、「瓜」と「爪」を覚える時にしばしば登場するフレーズです。