小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第17回は「雲を掴む」です。教科書の表記は、「雲をつかむ」となっています。
雲を掴む
「雲を掴む」の読み方
くもをつかむ
「雲を掴む」の意味
物事の漠然としてとらえどころのないさま。(広辞苑)
「雲を掴む」の使い方
きみの話はまるで雲を掴むような話だ。
「雲を掴む」の語源・由来
「雲を掴む」の語源は、空に浮かぶ雲を掴もうとしてもとらえどころがないように、物事が漠然としていることのたとえです。
「雲を掴む」の蘊蓄
「やみくも」は「雲を掴む」のバリエーション!
「やみくもに突っ走る」などと言う時の「やみくも」は、「闇雲」と書きます。
「闇雲」とは、「闇の中で雲を掴む」という意味です。漠然とした中であてのない行動をするさまを表す言葉で、前後の思慮なく行うさま、むやみやたらと行うさま、何の見通しもなく行動するさまをあらわします。
雲を掴まずに雲を止める!
雲を掴むことなく、流れる雲を止めた話です。
『列子』「湯問篇」の中に「声振林木、響遏行雲」とあります。「声は林木を振るはせ、響きは行雲を遏(とど)む」と読みます。
「中国、秦の薜譚(せったん)は、秦青(しんせい)という名人に歌を習っていた。少し習っただけなのに、すっかり修得したつもりになった薜譚は故郷に帰ることにした。その別れの宴で秦青が別離の歌を歌った。するとその歌声は空を流れる雲をとどめるほどすばらしかった。薜譚はおのれの未熟を恥じ、秦青のもとに戻った」という故事から「遏雲の曲(あつうんのきょく)」の語が生まれました。「空を流れる雲をとどめるほどのすばらしい音楽、 または歌声」という意味です。
「雲を遏(とど)む」という慣用句は、「遏雲の曲」由来の語です。