教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

日本語探訪(その57) 故事成語「暗中模索」

小学校のうちに知っておきたい故事成語の第16回は「暗中模索」です。

 

暗中模索

 

「暗中模索」の読み方

あんちゅうもさく

 

「暗中模索」の意味

くらやみの中で手さぐりで捜すこと。転じて、手がかりのない物事をさがしもとめること。(広辞苑

 

「暗中模索」の使い方

打開策を暗中模索する 

 

「暗中模索」の語源・由来

 「暗中模索」の出典は、唐の時代に書かれた『隋唐嘉話(ずいとうかわ)』です。

 

許敬宗性軽傲、見人多忘之。
或謂其不聡。
曰卿自難記
若遇何・劉・沈・謝、
暗中摸索著亦可識之。

(読み下し文)
許敬宗(キョケイソウ)、性 軽傲(ケイゴウ)にして、人を見て多く之れを忘る。
或る人其の聡ならざるを謂ふ。
曰く、卿 自(おのづか)ら記し難きのみ
若(も)し何晏(カアン)、劉楨(リュウテイ)、沈約(シンヤク)、謝霊運(シャレイウン)、遇(あ)はば
暗中に摸索し著するも亦(ま)た之れを識(し)るべし。

(現代語訳)
許敬宗は性質が多少傲慢で、そのうえ物忘れがひどく会った人の名前も覚えていない。
或る人が、(会った人の名前も覚えていないとの)放漫な態度を指摘して言った。
「お会いした人の名前位は覚えておかれたら宜しいでしょう。
もし、何晏、劉楨、沈約、謝霊運といった有名人に会ったら、
暗い中を探ってでも覚えておこうとするでしょう。」

 

「模索」は「手探りで探すこと」を意味し、正字では「摸索」と書きます。【摸】の字が常用漢字でないため、いまは同じ音をもつ「模」が【摸】の書き換えとして使われています。

 

「暗中模索」の蘊蓄

「暗中模索」の類義語

五里霧

試行錯誤

 

「暗中模索」の対義語

一目瞭然

明々白々