小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第23回は「花より団子」です。教科書の表記は、「花よりだんご」となっています。
※ なお、「花より団子」の前に「猫の手も借りたい」があります。「猫の手も借りたい」は、すでに慣用句の項で取り上げています。(日本語探訪(その62) 慣用句「猫の手も借りたい」「猫の額」)重複を避けるため、ことわざの項では省略します。
花より団子
「花より団子」の読み方
はなよりだんご
「花より団子」の意味
①風流を解さないこと。
②名よりも実利を尊ぶこと。(広辞苑)
「花より団子」の使い方
①の意味で
「せっかく花見に来たというのに、花より団子だなんてもったいない」
②の意味で
「海外旅行で観光名所に赴くよりもお土産物屋にばかり喜んで、まさに花より団子だな」
「花より団子」の語源・由来
「花より団子」の語源・由来は、「お花見」にあると言われています。
お花見は古代より行われていましたが、お花見野の席での酒食は豊臣秀吉の醍醐の花見が最初とされます。
江戸時代になると、お花見が庶民の行楽として楽しまれるようになります。
茶店の団子が登場するのもこのころです。
そうした時代背景において、
花見に行っても美しい花を見て喜ぶよりも、茶店の団子の方を喜ぶ人がいる様子から生まれたのが「花より団子」です。
やがて「花より団子」は江戸いろはかるたや大阪いろはかるた、尾張いろはかるたに採用され、広がっていったと思われます。
「花より団子」の蘊蓄
「花より団子」の類語
※洒落っ気があって結構面白いのもあります。
色気より食い気
花の下より鼻の下
一中節より鰹節
心中より饅頭
義理張るより頬張れ
見得張るより頬張れ
理詰めより重詰め
挨拶より円札
思し召しより米の飯
詩を作るより田を作れ
恋をするより徳をしろ
名を捨てて実を取る
名より実
実を取る
名を取るより得を取れ
論に負けても実に勝て
理に負けて非に勝て