教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

きょうは何の日 4月10日

4月10日 女性の日

 

1946年(昭和21年)のこの日、戦後初の男女普通選挙制度を採用した総選挙が行われ、初めて女性の参政権が行使されました。

これを記念して、1949年(昭和24年)のこの日に労働省(現在の厚生労働省)が「婦人の日大会」を開催したことから「婦人の日」が始まりました。

「婦人の日」のこの日から1週間を「婦人週間」(4月10日~16日)として、婦人を取り巻く社会環境・労働環境などについて活動が行われてきましたが、1998年(平成10年)から「女性の日」「女性週間」と名称が変更されました。

         (この記事は「雑学ネタ帳」の情報をもとに作成しています)

※国連が定めた「国際女性の日」(3月8日)はこれとは別です。

 

「婦人」という語について

「婦人」という語は、1910年~1920年代の大正デモクラシーの時期、普通選挙権の要求運動とも連動し、斬新な響きを持った。婦人・女性誌婦人公論』に代表されるように、「意識の高い成人女性」との響きさえあった。しかし、「婦人」が「既婚の女性」や「年輩の女性」との意味合いが強くなり、次第に使われなくなった。現代の日本語においてより一般化した呼称が「女性」であり、「婦人」の語はやや古めかしいイメージを持つ古語になりつつある。(「雑学ネタ帳」)

ちなみに、「婦」は「箒(ほうき)」を持つ「女」を表しています。そのことから「女性」=「掃除(家事)」の象徴のように語られてきた歴史もあります。

しかし、漢字が成立したころの中国では、「箒(ほうき)」は神殿の中を清めるために用いられる道具であって、宗教的な儀式に用いられる重要な道具だったというのです。
だとすれば、「婦」のもともとの意味は、「掃除を始めとする家事一般を行う女性」ではなく、「宗教的な儀式で神殿を清める役割をする女性」ということになります。

 

さて、1946年4月10日。

戦後初めての衆議院議員総選挙が行われ、約1,380万人の女性が初めて投票し、39名の女性国会議員が誕生しました。

女性参政権行使70年の記念日に寄せて、加藤大臣(当時)からのメッセージが公表されました。「いま」を考える学習材です。

  「女性参政権行使70年」に寄せて

 4月10日は、我が国において、女性が初めて参政権を行使した日です。今からちょうど70年前の4月10日、戦後初めての衆議院議員総選挙が行われ、約1,380万人の女性が初めて投票し、39名の女性国会議員が誕生いたしました。
 少子高齢化が進み、人口減少社会に突入した我が国が活力ある豊かな国に発展していくためには、多様な意思が政治や社会の政策・方針決定に公平・公正に反映されることが必要であり、この観点から、政治分野における女性の参画拡大は、最も重要な課題です。
 しかしながら、現在、衆議院議員に占める女性の割合は、45名で9.5%、参議院議員に占める女性の割合は38名で15.7%、都道県議会議員に占める女性の割合は259名で9.7%と、諸外国に比べ、依然として低い水準に留まっています。残念ながら、衆議院議員に占める女性の割合が8.4%であった70年前と比べ状況が顕著に進展しているとは言い難い状況にあります。
 昨年末に閣議決定した第4次男女共同参画基本計画においては、衆議院議員及び参議院議員の候補者に占める女性の割合を2020年までに30%とする目標を、政府が政党に働きかける際に示す努力目標として掲げています。
 計画に基づき、私から各政党等に対し、民間企業等が女性活躍推進法に基づいた数値目標の設定等の取組を行うことを踏まえ、各政党においても同様に女性の政治参画に関する数値目標を設定する等のポジティブ・アクションを導入することなどについて、要請を行っているところです。
 また、女性の政治参画の重要性に対する社会全体の意識を更に高めるべく、政治分野における女性の参画状況について全国の状況が一覧できる「女性の政治参画マップ」を作成・公表するなど、政治分野における「見える化」の推進にも取り組んでいます。
 政党等におけるポジティブ・アクション導入に向けた検討が進むことで、女性が政治活動に参加しやすく、また、女性議員が更に活躍しやすい環境整備が進んでいくことを期待しています。
 選挙権年齢が18歳に引き下げられ、若い世代の政治分野への参画も進む今年、政治に多様な民意を反映させるという観点からも、政治分野における女性の参画の拡大が図られるように、政府としても引き続き働きかけてまいります。

          平成28年4月
          内閣府特命担当大臣男女共同参画)、女性活躍担当大臣
          加藤 勝信

 

 

※今後、「女性」に関する話題が何度か登場します。それは、女性が男性よりも低位に置かれてきた社会を映す鏡でもあります。