教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

きょうは何の日 5月8日

世界赤十字デー

 

世界赤十字デー(World Red Cross and Red Crescent Day)は、赤十字を創設したアンリ・デュナンの誕生日(5月8日)に因んだ国際デーです。

 

Wikipedia」より紹介します。

1828年5月8日生まれのスイス人実業家アンリ・デュナンは、1859年にイタリア統一戦争の激戦地ソルフェリーノにおいて4万人に上る死傷者の悲惨な有様を目撃した。デュナンは、すぐに村人と協力して、戦場に倒れていた負傷者を教会に収容するなど懸命の救護に当たった。

ファイル:Jean Henri Dunant.jpg

赤十字創設者アンリ・デュナン

デュナンの心の中では「傷ついた兵士は、もはや兵士ではない、人間である。人間同士としてその尊い命は救わなければならない」との信念が生まれた。

ジュネーヴに戻ったデュナンは、1862年、『ソルフェリーノの思い出』を執筆出版。この本によるアンリー・デュナンの訴えはヨーロッパ各地に反響を呼んだ。「赤十字思想」の誕生である。

赤十字国際委員会の前身となった「五人委員会」を設立したアンリ・デュナンは、のちに赤十字創設者として「ノーベル平和賞第1回受賞者となった。

そのデュナンの功績を讃え、第二次世界大戦後、1948年の第20回赤十字社連盟理事会で、彼の誕生日である5月8日を「世界赤十字デー (World Red Cross Day)」とすることが決定された。

以降、同日には世界各国で赤十字に関連する様々なイベントが行われている。日本では各地の名所や観光スポット、歴史的建造物が赤くライトアップされている。

 

日本赤十字社」のHPより、2本の記事を紹介します。

「5月8日は世界赤十字デー」
2020年5月8日
赤十字の誕生

アンリー・デュナンは1859年6月、フランス・サルディニア連合軍とオーストリア軍の間で行われたイタリア統一戦争の激戦地、ソルフェリーノの近くを通りかかりました。そこで見たものは、4万人もの死傷者が打ち捨てられているという悲惨なありさまでした。デュナンは、すぐに町の人々や旅人たちと協力して、放置されていた負傷者を教会に収容するなど懸命の救護を行いました。「傷ついた兵士はもはや兵士ではない、人間である。人間同士としてその尊い生命は救われなければならない」との信念のもとに救護活動にあたったのです。 ジュネーブに戻ったデュナンは、自ら戦争犠牲者の悲惨な状況を語り伝えるとともに、1862年11月『ソルフェリーノの思い出』という本を出版しました。 この中で、以下の必要性を訴えました。①戦場の負傷者と病人は敵味方の差別なく救護すること ②そのための救護団体を平時から各国に組織すること ③この目的のために国際的な条約を締結しておくこと。
この訴えは、ヨーロッパ各国に大きな反響を呼び、1863年2月、赤十字国際委員会の前身である「五人委員会」が発足、五人委員会の呼びかけに応じてヨーロッパ16カ国が参加して最初の国際会議が開かれ、赤十字規約ができました。 この規約により各国に戦時救護団体が組織され平時から相互に連絡を保つ基礎ができ、デュナンの提案の一つが実現しました。そして翌1864年には、ヨーロッパ16カ国の外交会議で最初のジュネーブ条約(いわゆる赤十字条約)が成立。『ソルフェリーノの思い出』の出版からわずか3年でデュナンの呼びかけは人々の賛同を呼びここに国際赤十字組織が正式に誕生したのです。そして、戦時救護を目的として誕生した赤十字は、多くの賛同者、ボランティアを巻き込む世界的な「運動体」として、その活躍の場を平時の自然災害や疾病対策・対応にも広げていきました。1919年に設立された各国赤十字社の連合体である赤十字社連盟(現在の国際赤十字・赤新月社連盟)は、第一次世界大戦後の感染症チフススペイン風邪等)流行への対応がその設立の契機になったことでも知られています。

 

5月8日は世界赤十字デー 

     ~何があっても立ち止まらない~
2021年4月28日
 「困っている人に手を差し伸べたいけれど、一人では手に負えないのではないか、、、」という悩みは、きっと誰しも抱いたことがあるのではないでしょうか。19世紀中頃のヨーロッパでは、誰しもが戦争に巻き込まれ、自分自身や家族、友人が戦争によって傷つき、命を失う可能性がありました。戦争で怪我をした兵士を見て、彼らを愛する家族が故郷で心配していることを想い、心を痛める人々がいましたが、インターネットなどのない時代、そんな想いを持っているのは自分だけではないか、と声をあげることを諦め沈黙する人が多かったのです。歴史は、勇気ある声をきっかけに、人々の“救いたい”という気持ちが結集することを待っていました。

 1859年、農業開拓事業を手がけていたスイスの若きビジネスマンが、イタリアのソルフェリーノの戦場で、4万人にのぼる死傷者を目の当たりにした時、「傷ついた兵士はもはや兵士ではない、人間である。人間同士としてその尊い生命は救われなければならない」との信念を抱きました。そして、地元の住民達ともに負傷した兵士を懸命に救助しました。スイスに戻った彼は、戦争の悲惨さと無償で救助する思いの尊さを訴えるために、著書『ソルフェリーノの思い出』を出版。戦場の負傷者と病人は敵味方の差別なく救護すること、そのための救護団体を平時から各国に組織すること、この目的のために国際的な条約を締結しておくことの必要性を説き、その実現のために奔走しました。そうして設立された組織が、150年以上経った今も世界中で活動を展開している赤十字で、このビジネスマンが創立者のアンリー・デュナンです。5月8日はアンリー・デュナンの誕生日にちなんで、誰かを救うために行動を呼びかける「世界赤十字デー」としています。

 アンリー・デュナンは、お金ではなく、人の命を救うことにやり甲斐を見出すことができる人々こそ世界を救う、と考えました。危機の時には、どこにでもいる私たちのような人々が、困っている人々に手を差し伸べ、政治的立場、人種、経済力の区別なく支え合うことが大事だということはどの時代にも通じるものです。今年、国際赤十字は、世界赤十字デーのテーマを「何があっても立ち止まらない(unstoppable)」としました。新型コロナウイルス感染症の蔓延、人種差別、政治的立場の違いによる争いなど、人類には大きな困難が立ちはだかっていますが、“支援を必要とする人びとを救うために私たちは決して屈しない、立ち止まることはない”、という強い決意がこめられています。