教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

退職後を生きる(その13) 革あそび(レザークラフト)

革あそび(レザークラフト

 

退職後の人生というのは、まさに風まかせ。

自分がレザークラフトに没頭するする姿など、想像したこともありませんでした。

 

2019年1月のことです。

正月のころに、通信講座のCMやチラシがよくあります。

その1つに長財布の製作がありました。退職後に持つようになったカバンには二つ折り財布では収まりが悪く、あればいいなと思っていた1品でした。

通信講座は結構な金額です。ならば自作でと探しましたが、型紙だけで数千円もしています。既製品を買う方がはるかに安いのです。

 

レザークラフトを紹介している人のブログを読んでいると、やり甲斐がありそうです。それなりの負荷がかかる世界には、なぜか惹かれます。

 

あるブログから、レザークラフト型紙専門店「ShiAN」を知りました。

私はそこで「 [30個限定割引中]ShiANコンプリートセット 価格 : 2,443円」なる商品を購入しました。(2022年1月現在、同商品は型紙数を2倍近くに増やし、参考書2冊とセット販売されています。)

初心者向け型紙3種類
型紙003_丸いミニポシェット
型紙004_シンプルな革の名刺入れ
型紙011_大容量のレザーペンケース

財布の型紙5種類
型紙001_ラウンドファスナーウォレット
型紙002_ダブルフラップの長財布
型紙005_バネホックのスリムな財布
型紙006_L字ファスナーの小型財布
型紙010_L字ファスナーの長財布

バッグの型紙3種類
型紙008_シンプル革のショルダーバッグ
型紙009_薄マチショルダーバッグ(舟形)
型紙012_真鍮金具と革のトートバッグ

型紙はPDFファイルで、期間内にダウンロードして使用します。

ダウンロードした型紙を工作用紙にのり付けし、切り取って使います。あらかじめ針穴の空いたプラスチック型紙に比べれば手間ですが、はるかに安価です。

また、型紙には製作過程の画像付き概要が添付されていて、これも大いに助けになります。

 

レザークラフトに使う道具類一式は、ブログ記事を参考に買いそろえました。

私が最もよく利用しているのは、「レザークラフト材料専門店 ぱれっと」というお店です。品揃えも多いし、扱っている革が高品質で安価なのが何よりいいです。

後述しますが、私は自分用のものは生成り(きなり)ヌメ革で作っています。この革に関しては「革販売の革屋さん.com」のものが安く手に入るので、こちらを利用しています。

 

第1作は「型紙004_シンプルな革の名刺入れ」、第2作は「型紙011_大容量のレザーペンケース」です。(大判の写真は「ShiAN」のHPのものです)

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この2つは、マウンドに上がる前のウォーミングアップのようなものです。レザークラフトの基本技術、バネホックの付け方、ファスナーの付け方など多くを学びました。

もっとも仕事を辞めると大容量のペンケースなど出番がありません。昨年、薄型ペンケースにリフォームしました。

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生成りのヌメ革に触れておきましょう。

ヌメ革とは、植物由来の成分であるタンニンを使用し鞣(なめ)された皮革のことです。生成り(きなり)は、着色していない革のことです。

つまり生成りのヌメ革とは、無着色のタンニンさらし革のことをいいます。

無着色とは言えタンニンの色は付きますので、淡いベージュ色をしています。

経年変化(エイジング)により少しずつ茶色が濃くなっていきます。それがこの革の魅力でもあります。

 

いよいよ、財布とショルダーバッグの製作です。

「型紙005_バネホックのスリムな財布」

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「型紙008_シンプル革のショルダーバッグ」

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製作から間もなく3年、エイジングが進んでいい感じになってきました。

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バッグの留め具がドイツホックという女性向けな感じだったので、少しアレンジしてマグネットにしました。その上に私キャラクターのフクロウを被せています。(私の作品にはすべてこの刻印を使用しています)

キーホルダーもついでに作りました。

 

これで自信が付いて、妻用に財布を作ってプレゼントしました。

「型紙001_ラウンドファスナーウォレット」です。

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これはラウンドファスナーの縫い付けが難しく、いささか難儀しました。

 

その後、親類縁者のために財布を作り続けることになります。

「型紙001_ラウンドファスナーウォレット」は、全部で3つ作りました。

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「型紙010_L字ファスナーの長財布」は1つ。

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「型紙005_バネホックのスリムな財布」に至っては、6つも作りました。

手入れのし易さを考えて、すべて着色革です。

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「型紙008_シンプル革のショルダーバッグ」も、娘用に「型紙005_バネホックのスリムな財布」とセットで作りました。

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さらにさらに、A4ファイルの入るトートバッグを妻用に2つ、息子の妻用に1つ作りました。

柔らかい革を扱うのは初めてです。硬い革とは別世界な感じです。個人的には硬い革のほうが好きです。

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自分用にも大型カバンをと、2021年春、「型紙008_シンプル革のショルダーバッグ」をA4ファイルが入る大きさにサイズアップしてみました。

かぶせの大きさをどの程度にするかいろいろ思案したのですが、結果的には大きすぎたようです。中のものを取り出しにくいです。そこが素人デザインのかなしいところです。

オリジナリティーもあります。

先日、持ち手を取り付けて、手持ちでも使えるようにしました。

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カバンの留め具は、強力マグネット3個です。これだけあれば、カバンの中身が増えても外れることはありません。

カバンの縁もちょっとおしゃれにデコってみました。

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中には内ポケットを付けています。

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内ポケットとの右半分にはインナーポケットが入っています。インナーポケットは、ペンが1本させるスペースと、小型スマホが入るスペースがあります。左半分には、大型のスマホが入ります。さらに、真ん中のホックを外すとタブレットが入るスペースになります。

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完全なオリジナル品もいくつか作っています。

筆頭は、タブレットケースでしょうか。

iPadとタッチペンを入れるように作っています。一番のウリは、ケースに入れたままで充電コードの抜き差しができること、コードを挿したままケースへの収納・取り出しができることです。

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こちらは、携帯用スマホケース。

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裏面は、ベルト通しにカラビナ取り付け穴を空けています。

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革製品は(とりわけ生成りのヌメ革で作った物は)、使うほどに味が出てきます。と同時に、愛着が増していきます。

革あそび。なかなかいい世界です。