教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

教師力

澤地久枝さんに学ぶ人としてのあり方

前総理大臣の安倍晋三氏は私と同世代で、育った時代の空気感のようなものは共通していると思います。 安倍氏の国会答弁を聞きながら、繰り返し澤地久枝さんのことを思いました。 澤地久枝さんは1930(昭和5)年9月3日生まれで、現在90歳。 先日亡くなられ…

網野善彦さんに学ぶ日本の歴史

歴史学習を考えるとき、教壇に立つ者として自覚しなければならないことが2つあります。 1つは、現代史の正しい知識をほとんど身につけていないということです。 このことについては、「半藤一利さんに学ぶ現代史 」で触れました。 他の1つは、古代・中世…

半藤一利さんに学ぶ現代史

1月12日、半藤一利さんが亡くなられました。 半藤さんは1930(昭和5)年5月21日生まれで、行年90歳。天寿を全うし……といったところですが、70代で逝った私の父と同年生まれで、近しさと感慨を覚えます。(1930年生まれには澤地久枝さんもおられます。澤地…

読まない教師・書かない教師に明日はない

いささか挑発的なタイトルですが、読まない教師・書かない教師には今日を超える明日はないという意味です。「経験は○、経験主義は× 」と一対のものとして読んでいただきたいと思います。 1 教育書は「はじめ」と「おわり」が大事 教師って、意外なほど本を…

経験は○、経験主義は×

教師は授業で勝負する、と言います。では、その専門性をどのようにして身につけ、自らを磨き高めていくのでしょうか。それが今回のテーマです。 ■経験は○、経験主義は×■ 1990年代はじめのことです。 そのとき勤務していた学校は学力向上の地域指定を受け、低…

計画はゴールから立てる ~私家版・仕事の流儀~

計画はゴールから立てる、文章は結論から書く。--これが、私流仕事の流儀です。 これは「教師力」というより「社会人力」と言った方がいいかも知れません。 それにしても、この力の弱い教師があまりにも多いように感じます。そして、それを致命的な欠如だ…

教師は一番の人権教育テキスト

教科担任制を採用していない小学校では、1日の大半を担任教師と過ごします。そうしたクラスでは、担任に気に入られるように生きることが、子どもにとっての「生きる力」になります。子どもの年齢が低ければ低いほど、その傾向は顕著です。物言いまで伝染し…

「教師力」とは何か

■「教師力」とは何か■ 「○○力」をテーマにした本がいくつもあります。ふと、「教師力」ということについて考えてみました。その思索の小径を書き記してみたいと思います。 教育が何かしら困難に直面するたびに、「教師の資質向上」という処方箋が出されます…