教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

歴史教育の周辺(その9) 歴史に学ぶために歴史を学ぶ

歴史に学ぶために歴史を学ぶ 社会科が社会「科」であるためには、教科としての体系がなくてはなりません。 歴史学が歴史「学」であるためには、学問としての体系がなくてはなりません。 体系とは、「 個々別々の認識を一定の原理に従って論理的に組織した知…

退職後を生きる(その8) 木あそび(組み木) 

木あそび(組み木) 木工関係のウェブサイトを見ていて、あるとき、「組み木」というものに出会いました。 それまで興味も関心もなかった世界です。 でも面白そうだし、やりがいがありそうです。 製作には電動糸鋸が要ります。 糸鋸はほしいと思っていた工具…

歴史教育の周辺(その8) 人物中心の歴史 ~国を愛する心情を育てる~

人物中心の歴史 ~国を愛する心情を育てる~ 現行の小学校学習指導要領(平成 29 年告示)は、6年生の歴史学習の目標を次のように規定しています。 1 目標(1) 国家・社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について興味・関心と理解を深…

退職後を生きる(その7) 木あそび(木工)

木あそび(木工) 仕事を辞めて最初に手を出したのは、木工でした。 それは趣味としてではなく、毎日の生活を便利で快適なものにするためでした。棚や台の類いをいくつも作りました。 まあそれなりのものはできたのですが、のこぎりで真っ直ぐに切るというの…

小学生のうちに身につけたい「生き切る力」

ある季刊誌が「小学生のうちに身につけたい力」という特集を組みました。 そこで取り上げられたのは、次の4つの「力」です。 やり抜く力 伝える力 思考力 自己肯定力 いずれも大事な力だと思います。 「小学生のうちに身につけたい力」がこの4つだけかどう…

歴史教育の周辺(その7) 歴史を消しゴムで消すことはできない

歴史を消しゴムで消すことはできない 今回は「硬派」です。 歴史を消しゴムで消すがごとき事態が進行しています。 教科書検定です。 中学社会や高校の地理歴史、公民の教科書にあった「従軍慰安婦」と「強制連行」の記述が消えました。 たとえば山川出版社「…

歴史教育の周辺(その6) 水戸黄門、清少納言、紫式部の共通点は?

水戸黄門、清少納言、紫式部の共通点は? 水戸黄門、清少納言、紫式部の共通点は何でしょう? 水戸黄門は男性。清少納言と紫式部は女性。 水戸黄門は武士。清少納言と紫式部は作家。 水戸黄門は江戸時代の人。清少納言と紫式部は平安時代の人。 清少納言と紫…

退職後を生きる(その6) 年金の未来予想図   

年金の未来予想図 2019年、厚生労働省から財政検証結果が公表されました。 今回は、それをもとに年金の将来見通しを検証します。 【前提条件】 ■ 年金保険料は、現在の水準を維持する。 ■ 年金給付額は、マクロ経済スライドで調整する。 (詳細は、前回の記…

退職後を生きる(その5) 年金のこれから 

年金のこれから 年金の将来が明るくないことは、超高齢化と超少子化が同時進行する日本社会においては自明の理。 何もしなければ破綻は目に見えています。それを何とかするための方策が、2004年の年金法の改正です。政府は「100年大丈夫な制度」と胸を張り、…

退職後を生きる(その4と5の隙間) 年金はペンション 

年金はペンション 今回は、「閑話休題」の「閑話休題」、年金の蘊蓄です。 「日本年金機構」の英語表記を見ると、「Japan Pension Service」となっています。「年金」=「pension」です。 「pension」は、カタカナ表記すると「ペンション…

歴史教育の周辺(その5) 歴史の色

歴史の色 忘れもしません。 遠い昔、大学入学試験で日本史を選択しました。その問題の1つに、「冠位十二階の色を答えよ」というのがありました。 私は覚えていませんでした。ど忘れではなく、記憶した記憶がありませんでした。後で参考書を見ると、欄外の脚…

「教育未来創造会議」設置決定

「教育未来創造会議」設置決定 政府は12月3日、第2次安倍政権下で発足した教育再生実行会議の後継となる「教育未来創造会議」の設置を閣議決定しました。 教育未来創造会議の開催について 令 和 3 年 1 2 月 3 日 閣 議 決 定1.我が国の未来を担う人材…

退職後を生きる(その4) 年金生活のいま② 

年金生活のいま② 所得代替率61.7% 「所得代替率」というのは、公的年金の受取額がどの程度の水準にあるかを示す指標です。 年金生活の現状をする上で、さらには年金のこれからを考える上でも、カギになる言葉であり数字です。詳しく解説します。 「所得…

退職後を生きる(その3) 年金生活のいま① 

年金生活のいま① 退職後は、自分の時間を楽しみたいものです。 しかし、60歳であれ、65歳であれ、70歳であれ、仕事を辞めればやがては収入が途絶えます。 できるだけお金をかけず楽しむ努力が必要です。消費生活のある程度の縮小も必要です。それらは当然の…

歴史教育の周辺(その4) 勝海舟、そして幕末マニア

勝海舟、そして幕末マニア 何ごとによらず、好きになるということは全ての始まりになります。 私の坂本龍馬好きは、龍馬が師と仰いだ勝海舟への関心へと向かいました。 私が読んだのは、子母沢寛(しもざわ かん)さんの一連の著作でした。 『勝海舟』(全6…