小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第4回は「急がば回れ」です。
「急がば回れ」の読み方
いそがばまわれ
「急がば回れ」の意味
危険な近道よりも、安全な本道をまわった方が結局早く目的地につく意。成果を急ぐなら、一見迂遠でも着実な方法をとった方がよい。(広辞苑)
※単に「のんびりと行く」という意味ではありません。
「急がば回れ」の使い方
「急がば回れ」の使い方としては、早いけど慣れない方法や危険な方法を選ぶよりも、時間はかかるかもしれないけど、安全で確実な方法を選んだ方がかえって効率よく早くできる場合を例える時に使います。
・学校に遅刻しそうだから近道をして交通量の多い大通りを突っ切ろうか?いやここは急がば回れでいつもの歩道橋を走って行った方が安全だな。
(「TRANS.Biz」より)
「急がば回れ」の語源・由来
「急がば回れ」の語源は、室町後期の連歌師宗長の
「武士(もののふ)の 矢橋(やばせ)の渡し 近くとも 急がば回れ 瀬田の長橋」からきています。
当時の武士が京の都に上る際の歌で、「もののふ」とは「武士」、「矢橋の船」とは東海道五十三次の草津宿(草津市矢橋港)と大津宿(大津市石場港)を結ぶ「矢橋の港から出る船」のこと、「瀬田の長橋」とは「瀬田という場所に掛かる橋」(「瀬田の唐橋」のこと)を指します。
琵琶湖を矢橋の船で渡ると早いけど、比叡山から吹き付ける比叡おろしという風に煽られて転覆する可能性があって危険なので、瀬田の唐橋までは徒歩で南に約4キロメートルほど遠回りになりますが、急ぐなら回り道だけど瀬田の唐橋を歩いて渡った方が安全ですよという意味の短歌です。
「急がば回れ」の蘊蓄
「急がば回れ」の類語
急いては事を仕損ずる(せいてはことをしそんずる)
短気は損気(たんきはそんき)
急がば高火(いそがばたかび)
急ぎの文は静かに書けこと(いそぎのふみはしずかにんくこと)
走れば躓く(はしればつまづく)
「急がば回れ」の対義語
鉄は熱いうちに打て(てつはあついうちにうて)
好機逸すべからず(こうきいっすべからず)
先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす)