7月3日(その3)
アイガーグレッチャー駅には11時45分に着きました。
グレッチャーは氷河のことですから、ここは「アイガー氷河駅」。駅舎のすぐ向こうにアイガー氷河の先端があります。
駅舎に併設されたレストランで昼食を摂りました。
スイス料理の1つで、ラクレットでした。ラクレットは、ラクレットチーズを温めて、溶け出したところをゆでたジャガイモなどにつけて食べる料理です。それにしても、スイスに来てからチーズとジャガイモのオンパレードです。
アイガーグレッチャー(標高2320m)からクライネ・シャイデック(標高2061m)まで、ゆっくり花と山を見ながら250mほど下ります。
楽々ハイキングコースなのですが、日本語ガイドが付いてくれました。関東生まれの日本人女性で、夏場の3ヶ月ほどをスイスで過ごす“期間労働者”です。一定の試験をクリアすれば、アルペンガイドの資格が得られるそうです。
ガイドさんを誰よりも心待ちにしていたのは我が妻で、1つ1つの花の名を聞いては手帳に書き留めていました。しかし、書き留めきれないほどに、花の種類と量が半端なくスゴイ。ガイドさんによると、異常気象のせいで、8月の末頃に咲く花までもが一斉に開花してしまったそうです。このあとのツアーガイドはどうなるのだろうと、そんな心配をしておられました。私たちにすれば、この上なくラッキーですが…。
実は、このツアー企画は7月1日発と22日発の2回あって、花を見るならと1日発を選んだのですが、大当たりだったわけです。
それにしても、異常な暑さです。これもガイドさんの話ですが、昨日、どこかの線路が暑さで曲がってしまって電車が止まったそうな。0.8フランのエヴィアンを心置きなく飲んで、山と花に酔いました。
一面の花畑--花畑の“正体”は牧草地で、この花たちも放牧される牛たちのエサです。そもそも、アルプスの語源「アルプ」は、スイスの森林限界を過ぎた所に広がる夏季放牧場を指す語です。(ケルト語で「岩山」を指すアルプが語源という説もあります。参考までに。)