7月4日(その1)
早朝の山を見たさに、5時前に起きました。
バルコニーに出てアイガーを見ると、北壁のすぐ脇に明け方の満月が照っていました。幻想的な美しさです。
北壁の中に黄色い点が見えるのは、昨日乗ったユングフラウ鉄道の覗き窓の灯りです。
さらに、東壁の稜線上には山小屋の灯りが小さな星のように見えています。
5時50分、アイガー山頂部の雪に朝陽が届き始めました。やがて岩壁がモルゲンロートに染まっていきます。興奮を抑えられず何枚もシャッターを切りました。
さらに、先ほど見た黄色い点を手がかりに、覗き窓と山小屋を特定して撮影しました。ここまでくるとマニアの世界だと、我ながら思います。
ホテルからは日の出そのものは見えないのですが、日の出直後の斜光がヴェッターホルンの山頂部に向けて照射されていました。
グリンデルワルトの村に陽が差すのはもうしばらく後になります。柔らかい明るさの中で静に朝を迎えた家々の佇まいは、いつまでも見ていたいものでした。
ユングフラウ三山をはじめ、インターラーケンからグリンデルワルトを含む一帯は、「ベルナーオーバーラント」と呼ばれています。ベルン州の高地という意味です。
話は横道に逸れますが、スイスは九州よりも小さな国で、そこに800万人ほどの人が住んでいます。国は26の州に分かれていて、それぞれの州の自治権が強いです。この国は連邦国家です。
2日のベルン観光の後、私たちはベルナーオーバーラントエリアで過ごしてきました。そして、今日は、次なる目的地マッターホルンのあるヴァリスエリアに移動します。
「アルプスの山たちを訪ねて 2」につづく