教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

きょうは何の日 10月17日

貧困撲滅のための国際デー

 

「貧困撲滅のための国際デー」は、1987年10月17日、フランスで10万人を超える人々が極度の貧困、飢餓、暴力の犠牲者に敬意を表すために集まったことをきっかけに、1992年12月22日の国連総会で制定されました。

 

以下、「ユニセフ」のHPより2020年のデータを紹介します。

きわめて貧しい暮らしを強いられる人びとの数
極度の貧困状態(1日あたり1.90米ドル以下)で暮らしている人は7億960万人、そのうち約半数が子どもで、3億5600万人にのぼります。

 

世界の貧困の状況は、良くなっている...?
きわめて貧しい暮らしを強いられる人の数と割合の変化(1990年と2013年地域別)

1990年時点で、世界の人口の35%(当時)が極度にまずしい暮らしをしていました。そのうち半分は、東アジアと太平洋の国ぐにで、その地域の中では60%の人たちが貧困層でした。東アジアと太平洋の国ぐにはその後急速に発展し、特に中国の経済成長のおかげで、2013年には、極度にまずしい暮らしをしている人たちの割合(貧困率)は60%から3.5%にまで減りました。
南アジアの貧困率は、1990年に45%でしたが、2013年には15%にまで減っています。サハラ以南のアフリカ地域での貧困率は、1990年の54%から2013年には41%に減っていますが、この地域では人口がとても増えており、1日1.90米ドル以下で暮らしている人の数は、1億1300万人も増えていることが分かります。今では、世界の極度に貧しい人の半分がサハラ以南のアフリカ地域に暮らしています。

 

先進国での貧困の問題
先進国の子どもの平均5人にひとりが相対的貧困下に暮らす
世帯所得が中央値の60%に満たない世帯に暮らす子ども(0歳〜17歳)の割合(2008年、2014年、2018年)

先進国の子どもの平均5人にひとりが相対的貧困下に暮らす世帯所得が中央値の60%に満たない世帯に暮らす子ども(0歳〜17歳)の割合(2008年、2014年、2018年)

先進国の子どもの平均5人にひとりが相対的貧困下に暮らす世帯所得が中央値の60%に満たない世帯に暮らす子ども(0歳〜17歳)の割合(2008年、2014年、2018年)
ユニセフが先進国の子どもたちの幸福度や生活の質を調べた報告書によると、先進国と呼ばれる国ぐにで、その国の所得の中央値の60%を下回る世帯で暮らしている子どもたちの割合は、上のグラフのようになります。先進国でも、相対的な貧困と呼ばれる状況のもとで、平均して5人に1人の子どもたちが苦しい生活を強いられています。

 

子ども6人に1人が極度の貧困で暮らす
      ユニセフ世界銀行による分析


2020年10月20日ニューヨーク/ワシントンD.C.

 

推定6人に1人、世界で3億5,600万人の子どもたちが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以前の段階で、極度の貧困の中で暮らしていました。ユニセフ(国連児童基金)と世界銀行グループの新たな分析によれば、この状況が著しく悪化する可能性があります。

 

6人に1人の子どもが生きるだけで精一杯
「世界の経済的貧困状態にある子どもたちの推計:最新情報」(原題:Global Estimate of Children in Monetary Poverty: An Update)によると、極度の貧困を表す国際基準である1日1.90米ドル未満で生活する子どもの3分の2を、社会的セーフティネットが限られているサハラ以南のアフリカの子どもが占めています。南アジアは、こうした子どもたちの5分の1近くを占めています。

分析によると、極度の貧困の中で暮らす子どもの数は、2013年から2017年の間に2,900万人減少しました。しかし、ユニセフ世界銀行グループは、ここ数年間の進展は非常に遅く、また不均等で、パンデミックの経済的影響を受けるリスクがあると警鐘を鳴らしています。

「6人に1人の子どもが極度の貧困の中で暮らしているということは、6人に1人の子どもが生きるだけで精一杯の状況だということです」とユニセフのプログラム局長、サンジェイ・ウィジェセケラは述べました。「この数字だけでも誰もがショックを受けるはずです。そして、パンデミックによってもたらされた経済的苦難が事態をさらに悪化させるだろうことを、私たちは知っています。各国政府は、数え切れないほど多くの子どもたちとその家族が、長い間見られなかったようなレベルの貧困に陥るのを防ぐために、子どもたちのための改善計画を早急に必要としています」


子どもが極度の貧困に陥る可能性はおとなの2倍以上
子どもは世界人口の約3分の1を占めていますが、極度の貧困下にある人々の約半数は子どもです。また極度の貧困状態に陥る可能性は、子どもがおとなの2倍以上です(子ども:17.5パーセント、おとな:7.9パーセント)。また開発途上国の5歳未満の子どもの約20パーセントが極度の貧困状態にある家庭で暮らしています。

子どもの極度の貧困は、おとなほどは減少していません。世界の貧困層のうち、2013年よりも2017年の方が子どもの割合が大きくなっています。1日1.90米ドルで暮らす子どもの絶対数の減少の仕方は、世界各地域で様々でしたが、例外として、サハラ以南のアフリカでは2013年の1億7,000万人から2017年には2億3,400万人へと6,400万人増加しました。

分析によると、子どもの貧困は不安定な国や紛争の影響を受ける国においてより顕著で、これらの国々では、他の国の子どもの約15パーセントに比べ、40パーセント以上の子どもが極度の貧困状態にある家庭で暮らしています。また、極度の貧困状態にある子どもの70パーセントは、世帯主が農業に従事している家庭で暮らしていると述べています。

現在進行中の COVID-19 危機は、子ども、女性、女の子に不公平な影響を与え続け、ジェンダー平等に向けたこれまでの成果を逆戻りさせる脅威となるでしょう。社会保障政策は、COVID-19への当面の対応と長期的な回復の両方において、貧困層や脆弱な人々が困難な方法でこの状況に対応しなくてすむために、重要な役割を担っています。