教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

説明文を読む(24)5年「固有種が教えてくれること」②

「固有種が教えてくれること」の続編です。

 

3文章の構成を整理し,内容を捉える。

・「初め」「中」「終わり」のまとまりを確かめる。

・「初め」「終わり」で書かれている,筆者の考えの中心を捉える。

「中」の段落に見出しをつけて内容を整理し,「中」を二つに分ける。

4筆者が図表やグラフ,写真を使った意図と効果を考え,要旨を捉える。

 ・P148の「統計資料の読み方」を読み,資料を読むときに気をつけることを確認する。

 ・文章の要旨を150字程度でまとめる。

 

今回は、「見出し」を取り上げます。

 

教科書「学習」にはこうあります。

・「中」では、どんな事がらが書かれているか。それぞれの段落に簡単な見出しをつけて整理し、「中」を大きく二つに分けよう。

 

「簡単な見出しをつけて」と簡単に言いますが、見出しを付けるのって簡単じゃありません。

 

「理想教育財団」のHPに、「見出しの付け方」に触れた記事があります。

①要点をズバリ書く。― その記事の中で一番言いたいこと、最も重要と考えることを簡潔に表現します。本文の中の「キーワード」を使うことがポイントです。

②具体的な事柄を表現する。― 「具体的」とは、「こと」「人」「時」「場所」「量」などが直接分かるということです。固有名詞や数字を使ったり、その場の情景が目に浮かぶような表現を心掛けるとよいでしょう。

③長すぎず短すぎずリズムを持って。― 見出しは「見た目」と「語呂」が命。目で見て楽しく、声を出して読んだとき心地よいリズムがあるのが良い見出しです。字数は、一般的に言って8字から15字ぐらい。いろいろな内容を盛り込みたいときは、主見出しの他に、「副見出し」「脇見出し」や文中に「小見出し」などを付けて補う。漢字ばかりは避ける。名詞止めを多用しない。重複した言葉・内容は書かない。倒置法や助詞(てにをは)の効果的な使用。時には「ことわざ」「言葉遊び」「ダジャレ」的な表現を取り入れるなど、「今度はどの手でいこうか」と工夫するのも、通信作りの楽しみの一つになるのではないでしょうか。

 

「学習」では、ノート例として第③段落を載せています。

第③段落「日本には固有種が多い」

 

第③段落は、「日本に固有種が多いことは、同じように大陸に近いちころにある島国イギリスと比べるとよく分かります。」という書き出しの1文が中心文(キーセンテンス)です。その中心(中心語=キーワード)が「日本に固有種が多い」です。

 

以下、上記のアドバイスに従って「名詞止め」を使わずに見出しの素案を作ってみました。15字より長いのは何とかしたいところですが…。

第④段落

(中心文)

日本に固有種が多いわけは、日本列島の成り立ちに関係があります。

(見出しの素案)

固有種の多さは日本列島の成り立ちに関係ある

 

第⑤段落

(中心文)

このように、他のちいきと分断されることによって、固有種は生まれるのです。

(見出しの素案)

他のちいきと分断されることで固有種は生まれる

 

第⑥段落

この段落は中心文というよりも文意から見出しを作成しました。

(見出しの素案)

(大陸との)分断が新しいと固有種がいない

 

第⑦段落

(中心文)

固有種が生き続けていくためには、このゆたかな環境が保全される必要があるのです。

(見出しの素案)

固有種が生き続けていくためには(日本列島の)ゆたかな環境の保全が必要だ

 

第⑧段落

(中心文)

自然の作用ではなく、人間の活動によって、固有種が減ってきているのです。

(見出しの素案)

人間の活動によって固有種が減ってきている

 

第⑨段落

(中心文)

(絶滅のおそれのある動植物を)保護したことがよい結果を生んだのです。

(見出しの素案)

(絶滅のおそれのある動植物の)保護がよい結果を生んだ

 

第⑩段落

(中心文)

固有種の保護は、その生息環境の保護とのバランスが重要なのです。

(見出しの素案)

固有種の保護は生息環境の保護とのバランスが重要だ

 

「中」を2つに分ける

「中-1」 第③段落~第⑦段落 日本に固有種が多いわけ

「中-2」 第⑧段落~第⑩段落 固有種の保護と生息環境の保護

 

 

次回は、「図表やグラフ,写真」などの資料に関して触れます。