7月5日(その1)
天気はどうだろう。雲は出ていないだろうか。--5時前に起きました。窓の外は晴れています。
早速、窓越しにシャッターを切り、5時45分過ぎに表に出ました。朝の冷気が心地よいです。ホテルの裏というのがゴルナーグラート山の山頂(3130m)で、そこに登れば360度の展望が開けます。そこで、日の出を待ちました。
5時54分、マッターホルンの先端に朝陽が当たり始め、それからおよそ30分間とびきりの「モルゲンロート劇場」を堪能しました。
ヴァリスアルプス36峰が見えるとガイドブックなどには書かれています。数は定かでありませんが、360度何れの方角を見渡しても、4000m級の峰が見えます。それも朝の澄んだ空気と斜光の中だから、写真を撮るには申し分ありません。この日の朝だけで、実に200枚以上も撮りました。
7時から朝食を摂りました。
少し離れたテーブルに二人の日本人女性が座っていました。ああ、あの人たちだなとすぐに分かりました。
話は昨日に戻ります。
私たちの列車が立ち往生していた頃、1時間後の氷河特急に彼女たちは乗っていました。添乗員のOさんがあちこちに連絡をとっておられた中で、その情報を得ました。私たちはOさんの機転と折衝力で何とか事なきを得ましたが、彼女たちの語学力では事態を打開する術がなかったようです。結局、ホテルに電話してきたのをOさんに取り継いでもらい、点検用の作業列車に乗車させてもらうことで、遅くにホテルに辿り着いたという次第です。