7月5日(その4)
ツェルマット駅に戻った私たちは、そこから目と鼻の先にあるシュロスホテルにチェックインしました。
昨晩は山上のホテル泊だったので必要な物だけ手荷物として持ち、スーツケースは駅からこのホテルに届けられていました。
そして、昨日の着替えなどの荷物もまた、私たちより先にホテルに着いていました。それと言うのは…昨日、Oさんの計らいで、ツェルマット在住のご友人に駅でスーツケースを貸していただきました。それに全員の不要荷物を詰め、今朝の電車でツェルマットのホテルに「宅配」されていたのです。おかげで私たちは快適なハイキングを楽しめました。とりあえずそれらの荷物を整理し、再び外に出ました。
駅前から少し歩き、町を流れるマッターフィスパ川を渡った所にスネガ展望台行きの地下ケーブル駅があります。
この地下ケーブルは、標高1620mのツェルマットから2288mの展望台まで、高低差668mの急勾配をわずか3分で運んでくれます。「トンネルを抜けると、山だった…」というわけです。
光線の関係上、もともと午前中の展望がいいのですが、おまけに雲が出てきました。スネガ・パラダイスの展望レストランから見るマッターホルンも楽しみにしていたのですが、ゴルナーグラートを体験したあとではやはり感動が落ちます。
ツアーとしてはそのままケーブルで下りることになっていたのですが、ここで解散して自由行動になりました。
スネガからロープウェイが出ていて、7分でブラウヘルト(2571m)、さらに乗り換えて5分でロートホルン(3103m)に着きます。私たちを含む6人は、ブラウヘルトまで上がりました。自分たちで切符を買うのもいい経験でしたが、正直いくらか英語が話せる人と一緒だったから何とかなりました。
ブラウヘルトに着いた頃、マッターホルン上空の雲がとれました。
ここで見るマッターホルンは、ゴルナーグラートで見るそれとは趣が違っていました。ゴルナーグラートからは東壁が正面に大きく見え、北壁の面積が小さいです。そして、頭を左に傾けているようにみえます。それがここでは、東壁と北壁が等分に見え、壁の稜線が正面にあります。これはまたこれで美しい立ち姿です。