小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第8回は「帯に短し襷に長し」です。教科書の表記は、「おびに短したすきに長し」となっています。
帯に短し襷に長し
「帯に短し襷に長し」の読み方
おびにみじかしたすきにながし
「帯に短し襷に長し」の意味
物事が中途半端で役に立たないこと。(広辞苑)
「帯に短し襷に長し」の使い方
その二十九銭也で三人仲良く喰べようと、古本屋の並んでいる早稲田の学生街を行ったり来たりしたんですが、帯に短し襷に長しで、金額に相応した喰べ物がおいそれと見つからないんです。(島田正吾『ふり蛙』1978年)
「帯に短し襷に長し」の語源・由来
着物が日常着だった時代の「帯」と「襷」の長さに由来する生活感からできた言葉です。
(「TRANS.Biz」より)
帯の長さは種類によって異なりますが短いもので3.6m、長いものだと4.3mほどです。このことわざに登場している「襷(たすき)」とは、駅伝などで見られるような輪になったものを斜め掛けするタイプのものではなく、弓道などで用いられている細長いヒモ状のものです。
長さは2.1~2.4m程度ありますが、これ以上長いと余った襷が長く垂れて邪魔になります。帯と襷の長さの差は1.2m以上あり、ひとつのもので兼用することはできません。
つまり、帯と襷の中間の長さである3m前後が「帯に短し襷に長し」の長さで、帯と襷いずれの用も足すことができない中途半端なものです。
「帯に短し襷に長し」の蘊蓄
「帯に短し襷に長し」の類語
・褌には短し手拭には長し(ふんどしにはみじかし、てぬぐいにはながし)
※褌の長さは2m前後、手拭の長さは1m足らずです。
・帯に短しまわしに長し
※相撲に使うまわしは6mもありますので、ここでの「まわし」は「ふんどし」を指していると思われます。帯の長さは3.6m~4.3m程度、褌の長さは2m前後です。