小学校のうちに知っておきたい故事成語の第21回は「一日千秋」です。
一日千秋
「一日千秋」の読み方
いちじつせんしゅう
「一日千秋」の意味
非常に思い慕うこと。また、待ち遠しいこと。(広辞苑)
「一日千秋」の使い方
子どもの頃は、遠足の日を「一日千秋」の思いで待っていたものだ。
「一日千秋」の語源・由来
「一日千秋」の出典は、『詩経』 (中国最古の詩集です。BC12世紀~BC6世紀、約600年間の詩が305編集められています。)の「王風」に収められている詩「采葛(さいかつ)」です。
采葛
彼采葛兮,一日不見,如三月兮。
彼採蕭兮,一日不見,如三秋兮。
彼採艾兮,一日不見,如三歲兮。
【読み方】
采葛(さいかつ)
彼采葛兮(かさいかつけい)
一日不見(いちじつふけん) 如三月兮(じょさんげつけい)
彼采蕭兮(かさいしょうけい)
一日不見(いちじつふけん) 如三秋兮(じょさんしゅうけい)
彼采艾兮(かさいがいけい)
一日不見(いちじつふけん) 如三歲兮(じょさんざいけい)
【読み下し文】
葛(くず)を采(と)る
彼(か)の葛(くず)を采(と)る。
一日 見ざれば,
三月(さんげつ)の如し。
彼(か)の蕭(よもぎ)を采(と)る。
一日 見ざれば,
三秋(さんしう)の如し。
彼(か)の艾(よもぎ)を采(と)る。
一日 見ざれば,
三歳(さんさい)の如し。
【現代語訳】
あそこでカズラを採りましょう。
一日お会いできねば、
三カ月も経ったかのよう。
カワラヨモギを採りましょう。
一日お会いできねば、
三つの秋を越したかのよう。
あそこでヨモギを採りましょう。
一日お会いできねば、
三年離れ離れであったかのよう。
「一日三秋」がもとの言葉です。「秋」は「年」の意です。
「一日千秋」は、「一日三秋」が変化したものです。
「一日千秋」の蘊蓄
「一日千秋」の類義語
一日三秋
三秋の思い
一刻千秋
「一日千秋」の対義語
十年一日(じゅうねん‐いちじつ)…長い年月の間少しも変わらず同じ状態であること。