小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第5回は「一を聞いて十を知る」です。
一を聞いて十を知る
「一を聞いて十を知る」の読み方
いちをきいてじゅうをしる
「一を聞いて十を知る」の意味
聡明で、一部分を聞いて他の万事を理解すること。(広辞苑)
「一を聞いて十を知る」の使い方
あの人はまさに、一を聞いて十を知る天才肌の学者だ。
「一を聞いて十を知る」の語源・由来
出典は『論語』三巻「 公冶長」第五です。
子謂子貢曰 汝與回也孰愈 對曰 賜也何敢望回 回也聞一以知十 賜也聞一以知二 子曰 弗如也 吾與汝弗如也
子、子貢(しこう)に謂いて曰く、「汝と回と孰れか愈(まさ)れる。」 対えて曰く、「賜や、何ぞ敢て回を望まん。回や、一を聞いて十を知る、賜や、一を聞いて以て二を知るのみ。」 子曰く、「如かざるなり、吾と汝と如かざるなり。」
孔子が子貢(しこう 注:孔子の弟子)に「お前と顔回(がんかい 注:孔子の弟子)では、どちらが優れているかな」と尋ねた。子貢が、「どうして、回と比べることができるでしょう。回は、一を聞いて十を知ることができますが、私はようやく二を知る程度です」と答えると、孔子が言った。「そう及ばないね、私もお前同様(回には)及ばないよ」と。
「一を聞いて十を知る」の蘊蓄
「一を聞いて十を知る」の類義語
一を推して万
一を以て万を知る
目から鼻に抜ける
「一を聞いて十を知る」の対義語
一知半解
一を知りて二を知らず
其の一を知りて其の二を知らず
十を聞いて一を知る ※これは「一を聞いて十を知る」の派生語か?
目から耳へ抜ける ※これは「目から鼻に抜ける」の派生語か?