小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第30回は「骨を惜しむ」です。教科書の表記は、「ほねをおしむ」となっています。
骨を惜しむ
「骨を惜しむ」の読み方
ほねをおしむ
「骨を惜しむ」の意味
労苦をいとう。骨惜しみをする。骨を盗む。(広辞苑)
「骨を惜しむ」の使い方
「父に、何事にも骨を惜しむなと言われた」
「骨を惜しむ」の語源・由来
「骨を惜しむ」の語源・由来については不明です。
「骨」には、「ほねのおれること。労苦。困難。」(広辞苑)という意味があります。「労苦を惜しむ」ということから、苦労・労苦を嫌がって仕事などを怠けることを表します。
「骨を惜しむ」の蘊蓄
「骨を惜しむ」と「骨身を惜しまない」
この場合の「骨」と「骨身」は、どちらも「労苦」という意味です。
「骨を惜しむ」は「労苦をいとう」です。「骨惜しみする」とも言います。
「骨を惜しまない」と使えば、「労苦をいとわない」という意味になります。
「骨身を惜しまない」は「労苦をいとわない」ことで、「骨を惜しまない」と同じです。
それでは、「骨身を惜しむ」は「骨を惜しむ」と同義かと思いきや…。
「骨身」は「惜しまない」と使いますが、「惜しむ」という使い方はしません。「骨身を惜しむ」という言葉はないのです。
「サボる」
よく使う「サボる」は、「骨を惜しむ」の類義語です。
「サボる」は、カタカナ表記から分かるように、外来語です。もとの言葉は、「サボタージュ(sabotage)」というフランス語です。
サボタージュはフランス語で破壊行為を意味します。元々の言葉は安価な木靴を意味するサボであり、産業革命によって失業した労働者が履いていたサボと引っかけて「物事を壊す」「仕事を失う」意味で使われていました。やがて、労働争議の一環として行われる機械設備の破壊行為をサボタージュと称するようになり、そこから更に怠ける行為が加わりました。
「骨休」
「骨休(ほねやすめ)」とは、「仕事のあいまにからだをやすめること。休息すること。休養。ほねやすみ。」(広辞苑)です。
「骨」=「ほねのおれること。労苦。困難。」を休むわけです。
「骨を惜しむ」のとは、根本的に違います。