小学校のうちに知っておきたい故事成語の第33回は「啓発」です。
啓発
「啓発」の読み方
けいはつ
「啓発」の意味
知識をひらきおこし理解を深めること。(広辞苑)
「啓発」の使い方
彼の著書に大いに啓発された。
「啓発」の語源・由来
「啓発」の語源は、『論語』「述而(じゅつじ)」にあります。
子曰、不憤不啓、不悱不發、擧一隅而示之、不以三隅反、則吾不復也。
【読み下し文】
○子曰く、「憤(ふん)せずんば啓せず、悱(ひ)せずんば発せず、一隅を挙げて之に示し、三隅を以って反(そ)らずんば、則ち復(ま)たせざるなり。」と。
○子曰く、「憤(ふん)せざれば啓せず、悱(ひ)せざれば発せず、一隅を挙げて之に示し、三隅を以って反(そ)らざれば、則ち復(ま)たせざるなり。」と。
【現代語訳】
先生がおっしゃいました。
「(本人が)理解しようと努力しても、思うようにゆかなくて、心がいらだつほどにならなければ、(私はその心を)ひらき導いてはやらない。(また、四隅あるものにたとえていえば)、その一隅を取りあげて教えた場合、他の三つの隅について、(自分で類推して)応答するようでなければ、二度と教え導くことはしない」と。
「啓」は、理解に向けて導くこと、「発」は、はっきりと理解させること。ここから、「啓発」ということばが生まれました。
「啓発」の蘊蓄
子どもの育ちに必要なのは…?
啓発(けいはつ)
知識をひらきおこし理解を深めること。
啓蒙(けいもう)
(「啓」はひらく、「蒙」はくらい意)無知蒙昧もうまいな状態を啓発して教え導くこと。
感化(かんか)
人に影響を与えて心を変えさせること。
教導(きょうどう)
教え導くこと。
教授(きょうじゅ)
学術・技芸などを教えること。養護・訓練とならぶ教育上の基本的な活動・作用。
教育(きょういく)
教え育てること。望ましい知識・技能・規範などの学習を促進する意図的な働きかけの諸活動。