教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

きょうは何の日 5月22日

5月22日 国際生物多様性の日

 

5月22日は、国連が定める「国際生物多様性の日」です。1992年のこの日に「生物多様性条約」が採択されたことに由来します。

 

生物多様性」とは

そもそも「生物多様性」とは何でしょうか。

環境省のHPでは、次のように説明されています。

生物多様性とは、生きものたちの豊かな個性とつながりのこと。地球上の生きものは40億年という長い歴史の中で、さまざまな環境に適応して進化し、3,000万種ともいわれる多様な生きものが生まれました。これらの生命は一つひとつに個性があり、全て直接に、間接的に支えあって生きています。生物多様性条約では、生態系の多様性・種の多様性・遺伝子の多様性という3つのレベルで多様性があるとしています。

3つのレベルの多様性
生態系の多様性
森林、里地里山、河川、湿原、干潟、サンゴ礁などいろいろなタイプの自然があります。

種の多様性
動植物から細菌などの微生物にいたるまで、いろいろな生きものがいます。


遺伝子の多様性
同じ種でも異なる遺伝子を持つことにより、形や模様、生態などに多様な個性があります。

 

生物多様性条約

生物の多様性に関する条約
平成五・一二・二一
条   約   九
    前文
 締約国は、
 生物の多様性が有する内在的な価値並びに生物の多様性及びその構成要素が有する生態学上、遺伝上、社会上、経済上、科学上、教育上、文化上、レクリエーション上及び芸術上の価値を意識し、
 生物の多様性が進化及び生物圏における生命保持の機構の維持のため重要であることを意識し、
 生物の多様性の保全が人類の共通の関心事であることを確認し、
 諸国が自国の生物資源について主権的権利を有することを再確認し、
 諸国が、自国の生物の多様性の保全及び自国の生物資源の持続可能な利用について責任を有することを再確認し、
 生物の多様性がある種の人間活動によって著しく減少していることを懸念し、
 生物の多様性に関する情報及び知見が一般的に不足していること並びに適当な措置を計画し及び実施するための基本的な知識を与える科学的、技術的及び制度的能力を緊急に開発する必要があることを認識し、
 生物の多様性の著しい減少又は喪失の根本原因を予想し、防止し及び取り除くことが不可欠であることに留意し、
 生物の多様性の著しい減少又は喪失のおそれがある場合には、科学的な確実性が十分にないことをもって、そのようなおそれを回避し又は最小にするための措置をとることを延期する理由とすべきではないことに留意し、
 更に、生物の多様性の保全のための基本的な要件は、生態系及び自然の生息地の生息域内保全並びに存続可能な種の個体群の自然の生息環境における維持及び回復であることに留意し、
 更に、生息域外における措置も重要な役割を果たすこと及びこの措置は原産国においてとることが望ましいことに留意し、
 伝統的な生活様式を有する多くの原住民の社会及び地域社会が生物資源に緊密にかつ伝統的に依存していること並びに生物の多様性の保全及びその構成要素の持続可能な利用に関して伝統的な知識、工夫及び慣行の利用がもたらす利益を衡平に配分することが望ましいことを認識し、
 生物の多様性の保全及び持続可能な利用において女子が不可欠の役割を果たすことを認識し、また、生物の多様性の保全のための政策の決定及び実施のすべての段階における女子の完全な参加が必要であることを確認し、
 生物の多様性の保全及びその構成要素の持続可能な利用のため、国家、政府間機関及び民間部門の間の国際的、地域的及び世界的な協力が重要であること並びにそのような協力の促進が必要であることを強調し、
 新規のかつ追加的な資金の供与及び関連のある技術の取得の適当な機会の提供が生物の多様性の喪失に取り組むための世界の能力を実質的に高めることが期待できることを確認し、
 更に、開発途上国のニーズに対応するため、新規のかつ追加的な資金の供与及び関連のある技術の取得の適当な機会の提供を含む特別な措置が必要であることを確認し、
 この点に関して後発開発途上国及び島嶼(しょ)国の特別な事情に留意し、
 生物の多様性を保全するため多額の投資が必要であること並びに当該投資から広範な環境上、経済上及び社会上の利益が期待されることを確認し、
 経済及び社会の開発並びに貧困の撲滅が開発途上国にとって最優先の事項であることを認識し、
 生物の多様性の保全及び持続可能な利用が食糧、保健その他増加する世界の人口の必要を満たすために決定的に重要であること、並びにこの目的のために遺伝資源及び技術の取得の機会の提供及びそれらの配分が不可欠であることを認識し、
 生物の多様性の保全及び持続可能な利用が、究極的に、諸国間の友好関係を強化し、人類の平和に貢献することに留意し、
 生物の多様性の保全及びその構成要素の持続可能な利用のための既存の国際的な制度を強化し及び補完することを希望し、
 現在及び将来の世代のため生物の多様性を保全し及び持続可能であるように利用することを決意して、
 次のとおり協定した。
    第一条 目的
 この条約は、生物の多様性の保全、その構成要素の持続可能な利用及び遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分をこの条約の関係規定に従って実現することを目的とする。この目的は、特に、遺伝資源の取得の適当な機会の提供及び関連のある技術の適当な移転(これらの提供及び移転は、当該遺伝資源及び当該関連のある技術についてのすべての権利を考慮して行う。)並びに適当な資金供与の方法により達成する。

条約の全文は、生物多様性センターHPをご覧ください。

 

「国連生物多様性の10年日本委員会」のHPに、「MY行動宣言」の取り組みが紹介されています。それは、SDGsの取り組みそのものと言えます。

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