国際障害者デーは、障害者の包摂に関連する重要な課題の解決を支援し、障害に関わる課題に対する意識を向上させ、すべての人を包摂し、すべての人が参加できる社会がもたらす恩恵に焦点を当てることを目的に、1992年の第47回国連総会にて採択されました。
日付は、1982年12月3日に、国連総会で「障害者に関する世界行動計画」が採択されたことにちなんでいます。
日本障害者リハビリテーション協会のHPより引用します。
障害者に関する世界行動計画とは
障害者に関する世界行動計画は、1982年12月3日第37回国連総会において採択された障害のある人々の人権を促進するための政策枠組みです。1981年の国際障害者年の趣旨をより具体的なものとするために,障害の予防、障害者のリハビリテーション、および、障害者の機会均等化という3つの目標を掲げました。また、この計画の実施を推進するため,同日、1983年から1992年の10年間を「国連・障害者の十年」と宣言しました。障害の予防
障害の予防には、3つのレベルが考えられます。身体障害や精神障害などの発生を防ぐことが1次予防です。例えば、交通事故を少なくする、職場でのストレス小さくする、生活習慣病にならないように運動をするなど、日常生活や社会生活のあり方と強い関係があります。2次予防は、障害が発生してしまった場合に、その障害を軽減したり、2次障害がおこらないようにすることです。例えば、足が不自由になったために、さらに褥瘡ができてしまうなどです。リハビリテーションは2次予防の手段でもあります。
3次予防は、障害があっても生活の質を落とさないようにすることです。例えば、バリアフリーの社会をつくることで、車イスであっても家事を自分でできる、仕事もできる、旅行を楽しめる。そのような取り組みです。
障害者のリハビリテーション
事故や病気などで機能障害を受けた人がその人にとっての身体的、精神的、社会的に最も適した機能水準を達成できるようにし、これにより、自らの人生を変革する手段を提供することを目的とした、目標志向的かつ時間を限ったプロセスを意味します。
以前は、機能障害を最大限に回復させることを目標にしていましたが、現在は、その人にとって最も適した機能に回復することを目標にしています。例えば、高齢者が脳梗塞で機能障害になったとした時、ご本人の生活の質を確保する観点からリハビリテーションを行います。障害者に対する機会均等化
機会の均等化とは、障害があっても、公共交通機関や建物等を一般の人と同じように利用できるようにすることで、バリアフリーとも言い換えることができます。この均等化には、、物理的環境だけではなく、社会的及び保健サービス、教育や労働の機会、スポーツやレクリエーションなどの文化的環境などすべての環境が含まれます。社会の全体的なシステムを、すべてが利用できるようにしていく過程を意味します。国連障害者の10年
1981年の国際障害者年は、障害者理解の促進を中心としたものでしたが、そのスローガンである障害者の「完全参加と平等」を実現するためには、1年だけの取り組みでは不十分であり、より具体的な取り組みが必要であるとして、国連は、1982年に「障害者に関する世界行動計画」を採択し、同時に,この計画の実施を推進するため,1983年から1992年の10年間を「国連・障害者の十年」と宣言しました。国連は、この期間に、加盟各国に対し障害者の「完全参加と平等」を実現するための取り組みを行うことを求め、わが国の政府は、「障害者対策に関する長期計画」を作成し、さまざまな取り組みを行いました。