教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

極意伝(2)スピーチの極意②

■スピーチの極意(その2)

 

スピーチに慣れてきた子どもたちに伝えたい上級編です。


①ナンバリング

 手(指)を使って数を表示します。

 

たとえば、○○について自分の考えと2つの理由を述べるスピーチ。

 

私は、○○について△△と考えます。

私が△△と考える理由は2つあります。

(2つのところで指を2本立て、口の高さくらいの位置で静止させます。短時間でも必ず静止することが大事です。)

1つは、□□です。

もう1つは、◇◇です。

(1つのところで指を1本立て、静止させます。)

 

ナンバリングの動作によって聞き手を集中させることができます。そして、話を整理して聞いてもらうことができます。

 


②心の動きや変化も手で表せる

「大きい」と言うところで両手を一杯に広げる、「ちょっと」と言うところで指を曲げて手を閉じる、「よし!」と言うところで握りこぶしを作るといったジェスチャーです。

ここぞというところでだけ使う、大袈裟にならない程度に使うことが肝要かと思います。

 


③手をホームポジションに置く

手のホームポジションというのは、軽く手を組んでへその高さくらいで静止させるアナウンサーの立ち姿です。

 

スピーチをしている子どもを見ていると、無意識のうちに手や指が結構動いています。聞き手の視線がそこに集まっていることもよくあります。結果として、スピーチへの集中がそがれます。ホームポジションはそうしたことを防ぐ手立てになります。

 


④いちばん伝えたいところを強調する

スピーチの基本型は、「頭括型」文章です。

「頭括型」のスピーチでは、まず最初に結論(主題)を述べます。聞き手に何の話かを周知するためです。

結論の後に、理由や具体例を話します。

時間が許せば、最後に結論を繰り返したり(これで「両活型」になります)、聞き手への提起や誘いを入れたりします。

 

型の基本を押さえた上で、「いちばん伝えたいところを強調する」わけです。

「強調」にはいくつかの方法があります。

○強調したいところの声を大きくする

●強調したいところの声を小さくする

○強調したいところの声を高くする

●強調したいところの声を低くする

○強調したいところをゆっくり話す

●強調したいところをはやく話す

○強調したいところの前で間をおく

○強調したいところを繰り返す

通常は○印の中から場に応じて使います。●印は使い方が難しいのでオプションとしておきます。

 

 

高度なテクニックを駆使する必要はありませんが、技の引き出しが多くなればスピーチが楽しくなるでしょう。

そして、スピーチで培った力は意見発表やプレゼンテーションの場面で確実に生きてきます。