2019年度、地元の中学校の1年生を対象に行った元小学校教員による小中連携授業の記録です。
ゲストティーチャーという位置づけで、総合的な学習の時間のコマを使って年間15回の「授業」を行いました。
第2回 テストの受け方教えます
第2回は5月の中間テスト前に実施しました。
中学校の定期テスト対策をテーマにしています。
■「算数」と「数学」は同じ?違う?
放課後学習教室にやって来る子たちの中には、中間テストや期末テストの準備を計画的にできない子が多くいました。小学校のテストとの違いをはっきりと意識することが必要です。
■カギは「高コスパ」&「アグレッシブ」
□「高コスパ」勉強法とは
部活動に放課後の時間の多くを使い、家でまとまった学習時間を確保できていない子が目立ちます。部活と勉強の両立のカギは、いかに効率よく勉強するかにあります。
「問題集はテスト1週間前までに完了する」
中学校では、テスト日あたりに問題集を提出させることがよくあります。小学校ではこまめに提出させますから、課題のやり残しは通常ありません。ところが中学校では催促されないまま、テスト前まで放ってある子が結構います。テスト1週間前になって問題集のやり残しに追われていては、本来のテスト勉強などできるはずがありません。
「1週間前からは、間違えた問題・分からなかった問題に的を絞って復習」
「テスト準備には授業のエッセンスが詰まっているノートを活用」
テスト範囲が広いだけに教科書の端々まで振り返っていては、いくら時間があっても足りません。その点ノートには授業のエッセンスが詰まっています。高コスパ勉強法にこれを活用しない手はありません。
ノートの取り方は前の稿で触れていますが、これは小学校のころからしっかり身につけておきたい力です。小中連携の1つのテーマです。
□「アグレッシブ」なテスト勉強とは
アグレッシブ、つまり能動的・攻撃的なテスト勉強です。
べつに攻撃的である必要はないのですが、やらされているだけのテスト勉強ではつまらないです。どうせやらなければならないのなら、テスト勉強を楽しんでしまおうという思考の転換です。
具体的に何をするかというと、テスト問題の予想です。
テスト問題の予想を最初に呼びかけたのは、放課後学習教室初年度の2学期中間テスト前でした。そのとき生徒に配ったプリントです。
テスト問題を「予想」しよう
中間テストが迫ってきました。
(中略)
「天才」でもなければ「秀才」でもない「凡人」の私には、彼らの世界は分かりません。その代わり「凡人」のテストの楽しみ方を知っています。今回はそれを伝授します。
最初は各教科1問でいい。テスト問題を予想します。予想は単なるカンではなく、それなりの根拠がいります。「根拠」は毎日の授業にころがっています。教科書で太字になっている、先生が繰り返し強調していた、問題集の基本にも応用にも繰り返し出ている……。テスト範囲のプリントに書かれている先生のコメントも大いに参考にしましょう。
予想が的中すれば、実に気分爽快。経験上、他の問題も快調に解けるかも。
もし外れたら?…外れた時こそ、学ぶ時。テスト問題が教科書や問題集のどこから、どんなカタチで出題されているかチェックしましょう。そこで見つけたことを次のテストの予想に活かすのです。
予想が当たるようになるということは、大事なポイントがつかめるようになってきたということです。短時間で効率よく復習できれば、部活との両立だって大丈夫。それよりなにより、続けていけば3年生の2学期後半、高校入試に向かう時期にしっかり効いてきますよ。