教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

「戦後80年」に紡ぎ継ぐ その2・地域の戦争を記録する③

2014年度6年生の記録

少年F ~最後の兵隊さん~ 〈3〉

 

2.最後の兵隊さん

 

1943(昭和18)年、藤田さんは国民学校高等科の2年になります。

この年、兵役法が改められ、大学生にも徴兵検査の義務が課せられました。「学徒出陣」です。

さらにこの年の暮れ、徴兵検査の年齢が20歳から19歳に引き下げられ、17歳からだった志願兵も14歳から応募できるようになりました。志願兵は、応募という形をとっていますが、実際には学校や地域が強制的に受けさせたようです。
藤田さんは、まさにその年齢でした。

こうして、青年団の人たちとともに、高等科2年の人たちも徴兵検査を受けることになったのです。徴兵検査は、学力試験と身体検査に分かれていました。藤田さんは、一緒に検査を受けた高等科でただ一人、「甲種合格」となりました。

教師が教育の名において、14歳の少年を戦場に送ったのです。 

 

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このあと、藤田さんは「岡崎海軍航空隊」に海軍飛行予科練習生として入隊します。