まとめ
学力を、「意欲」・「居心地」と関係づけながら論じてきました。
それは学力と「意欲」・「居心地」の関係を示す定説を改めてなぞったに過ぎませんでしたが、私にとっては意味のある証明であったと思っています。
長い教員生活のなかで、全員の学力が伸びこれほど高得点に達した学級を担任したことがありません。
全員の学力が伸びたと言っても、一人ひとりの状況はまさに十人十色です。
今回は4人をピックアップしてみましたが、そこから得た教訓があります。
それは、どの子にとっても教室は「ジム」であると同時に「ホーム」でもなければならないとうことです。
一般には、子どもを鍛える場である学校=ジムと子どもを包み込んでくれる家庭=ホームという図式で、子育ての連携が語られます。
それはそうなのですが、今の教室にはその両面が必要なことを4つの事例は語っています。
ジムとホームの兼ね合いは個々の状況によって違います。ぴったりの処方箋を作るのは、担任の仕事です。
「エラくなる=テスト成績が上がる」という極めて一面的な学力観でスタートした文章は、エラくなるとは安心できる教室で精一杯自己実現することだという結論で終わりとします。