7月8日(その2)
今日は、バスでトンネルを抜け、イタリアのポンタル・ダントレープ(1300m)まで行きます。
そこから回転ゴンドラでエルブロンネ(3466m)まで上がり、さらに3連ゴンドラで氷河の上を国境越えしてエギーユ・デュ・ミディ展望台(3842m)へ行き、ロープウェイでシャモニ(1035m)へ下りる。--という予定でした。
トンネルを出るとそこはもうイタリアです。
つい最近ゴンドラ乗り場が80mほど移動して新しくなったそうで、そこに辿り着くのに運転手は素人以上のドジをして道に迷ってしまいました。やっとのことでポンタル・ダントレープのゴンドラ乗り場に着きました。
さていよいよと高鳴る鼓動を抑えつつチケットを待っていると、添乗員さんがなかなか戻ってきません。聞くと、展望台へのゴンドラは動いているのですが、展望台からの3連ゴンドラとエギーユ・デュ・ミディからのロープウェイが強風のため運休しているというのです。結局、一縷の望みを持ちながらも、展望台往復のチケットを手にゴンドラに乗りました。
回転ゴンドラは、その名の通り、ゴンドラが回転しながら上がっていきます。窓の外の景色が360度楽しめるというシャレたものです。
標高1300mの乗り場から、20分ほどで3466mのエルブロンネ展望台に着きます。
展望台は、強風が休みなく吹きつけ、ウィンドブレーカーがないと耐えられないほどの寒さでした。
モンブランの上空は雲が厚く、氷河や針峰群も白いベールの中でした。強風で雲が飛ばされ、時折針峰の頂が見えることもありましたが、絶景を満喫とはなりませんでした。
この雪山の左にモンブランの山頂があるはず。
フランスでは「モンブラン」だが、
イタリアでは「モンテ・ビアンコ」という
私たちには山のテッペンを見たいという性癖があります。その価値観で言うと、残念ながらモンブランは見えなかったということになります。
しかし実際には、私たちはモンブラン(イタリアではモンテ・ビアンコ)を見ていたのです。外国人観光客の女性が「モンテ・ビアンコ!」と叫んでいるのを聞いて、それを悟りました。
例えば、山頂間近まで雲がとれた瞬間もありましたし、3連ゴンドラの下に広がっている氷河はモンテ・ビアンコの中腹です。私たちは、モンテ・ビアンコという巨大な岩塊のてっぺんを除く大部分を目にすることができたのです。「モンテ・ビアンコ!」と感嘆の声を上げられる心の持ちようを見習いたいものです。
しばらくして、3連ゴンドラのテスト運転が実施され、その結果を待つことになりました。
結局、3連ゴンドラもエギーユ・デュ・ミディのロープウェイも、1日中動きませんでした。したがって、シャモニからエギーユ・デュ・ミディへ上がる予定だったたくさんの観光客は、モンブランを見ることなくシャモニを後にしました。
モンテ・ビアンコから下ってきた稜線も針の山。
この山で富士山くらいの高さ
私たちは、朝来たルートを逆に辿り、シャモニに戻りました。