小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第27回は「骨が折れる」です。教科書の表記は、「ほねがおれる」となっています。
骨が折れる
「骨が折れる」の読み方
ほねがおれる
「骨が折れる」の意味
苦労である。面倒である。(広辞苑)
「骨が折れる」の使い方
内容を理解するのに骨が折れる。
「骨が折れる」の語源・由来
「骨が折れる」の語源は、言葉どおりの骨折にあります。
実際に骨が折れるには、かなりの負荷がかけられなければなりません。同様に精神的・肉体的にかなりの負荷がかかる様子を「骨が折れる」と表現したものです。
「骨が折れる」の蘊蓄
「骨が折れる」と「骨を折る」
まず、「折れる」と「折る」を検討します。
「折れる」は自動詞であり、「折る」は他動詞です。
「折る」というのは、「長いものを曲げて折れた状態にする」ことです。この「棒状の細長いものが真っ二つに破損した時の表現」が、「折れる」であり「折る」です。
語感としては、他動詞の「折る」には能動的な関与がある分だけポジティブです。
さらに、「折れる」には、「挫折する」という意味もあります。「心が折れる」などのように使います。「心を折る」とは普通は言いません。
それでは、「骨が折れる」と「骨を折る」の検討に移ります。
「骨が折れる」
苦労である。面倒である。(広辞苑)
「骨を折る」
精出して働く。物事をなしとげるために苦労する。(広辞苑)
広辞苑の意味の違いは、動詞の語感の違いをそのまま反映しています。
ともに「苦労である」ことは共通しています。
「骨が折れる」は、「苦労である」という状態を言っているに過ぎません。
一方、「骨を折る」には、「苦労である」が事を為すという営みがあります。決して悲観してはいませんし、「心が折れる」こともありません。
「粉骨砕身」は、「骨を折る」の類義語でありますが、「骨が折れる」の類義語ではありません。