教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

日本語探訪(その74) 慣用句「骨身を削る」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第28回は「骨身を削る」です。教科書の表記は、「ほね身をけずる」となっています。

  

骨身を削る

 

「骨身を削る」の読み方

 ほねみをけずる

 

「骨身を削る」の意味

体がやせ細るほど一所懸命に事に当たる。身を削る。(広辞苑

 

「骨身を削る」の使い方

骨身を削って努力した結果、合格する事が出来た。 

 

「骨身を削る」の語源・由来

「骨身を削る」の語源・由来については、はっきりしたことは分かりません。

私の仮説ということで…

力の限り努力するという意味の四字熟語に、「粉骨砕身」があります。

「粉骨砕身」は、唐時代の禅僧「永嘉大師」が書いた禅宗の経典『禅林類纂(ぜんりんるいさん)』に出てきます。

「粉骨砕身未足酬 一句了然超百億」

【読み下し文】

粉骨砕身も未だ酬(むく)ゆるに足らず、一句(いっく)了然(りょうぜん)として百億を超う。

「骨身を削る」 ・「 身を粉にする」 ・「 骨を折る」などの語は、「粉骨砕身」が伝わった後に派生して生まれたものではないかと考えられます。 

 

「骨身を削る」の蘊蓄

「骨身」のつく言葉

骨身にこたえる → 次回に登場します
骨身に沁みる…うれしさや苦しさを、体の中までしみとおるほど強く感ずる。身に沁みる。(広辞苑
骨身を惜しまない苦労をいとわない。広辞苑