小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第20回は「所変われば品変わる」です。教科書の表記は、「所かわれば品かわる」となっています。
所変われば品変わる
「所変われば品変わる」の読み方
ところかわればしなかわる
「所変われば品変わる」の意味
土地がちがえば風俗習慣がちがう。(広辞苑)
「所変われば品変わる」の使い方
おいしいものじゃないかもしれませんが、ところ変われば品変わるで……ご主人は純日本料理がお好きなんですか。(平岩弓枝『結婚のとき』1976年)
「所変われば品変わる」の語源・由来
「所変われば品変わる」の語源・由来については不明です。
江戸時代の浮世草子『新小夜嵐(しんさよあらし)』(1715年)に、「咲た桜になぜ駒つなぐとこそ小歌にも歌ひつれ、所かはればしなかはる、珍しきつなぎ物と」とあります。
「所変われば品変わる」の蘊蓄
「所変われば品変わる」の類義語
品川海苔は伊豆の磯餅
所変われば木の葉も変わる
所変われば水変わる
難波の葦は伊勢の浜荻
「所変われば品変わる」の対義語
伊予に吹く風は讃岐にも吹く
何処の烏も黒さは変わらぬ
「所変われば品変わる」の類義語にも対義語にも、「品川」「伊豆」「難波」「伊勢」「伊予」「讃岐」など、明治以前の地域の呼び名が出てきます。
今では全国津々浦々のチェーン店に同じ品物が並び、津々浦々で同じ歌を口ずさみ…。
端々に江戸の名残はあるものの、基本的には「所変われど品変わらず」の現代日本社会です。
「所変われば品変わる」は郷愁を伴いつつ、「死語」になっていくのかもしれません。