教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

日本語探訪(その75) 慣用句「骨身に応える」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第29回は「骨身に応える」です。教科書の表記は、「ほね身にこたえる」となっています。

  

骨身に応える

 

「骨身に応える」の読み方

 ほねみにこたえる

 

「骨身に応える」の意味

寒さや苦しみなどを強く感ずる。身にしみて感ずる。(広辞苑

 

「骨身に応える」の使い方

 忠告が骨身にこたえた。

 

「骨身に応える」の語源・由来

「骨身に応える」の語源・由来については不明です。 

 

「骨身」とは、「骨と肉。転じて、全身。」(広辞苑)を指します。

「骨身に応える」=「全身に応える」で、「応える」程度の大きさを表す表現となっています。 

 

「骨身に応える」の蘊蓄

「骨身」の蘊蓄

日本国語大辞典」には、「骨身」の意味を次のように記しています。

1 骨と肉。転じて、からだ。また、からだと心。全身。
2 からだを使う面倒。心身こめた働き。

 

1 骨と肉。転じて、からだ。また、からだと心。全身。」は、上に述べた繰り返しになります。

骨身に応える」=「全身に応える」で、「応える」程度の大きさを表す表現となっています。 

同様の言葉に、「骨身に沁みる」があります。「うれしさや苦しさを、体の中までしみとおるほど強く感ずる。身に沁みる。」(広辞苑)という意味です。

「骨身に沁みる」=「全身に沁みる」で、「沁みる」程度の大きさを表す表現となっています。 

 

「骨身」=「2 からだを使う面倒。心身こめた働き。」の言葉とは…。

前回登場した「骨身を削る」はどうでしょう。

骨身を削る」とは、「体がやせ細るほど一所懸命に事に当たる。身を削る。」(広辞苑)という意味す。

「骨身を削る」は、「からだがやせ細るほど苦心や努力(からだを使う面倒)する 」さまを表しています。

同様の言葉に、「骨身を惜しまない」があります。「苦労をいとわない。」(広辞苑)という意味です。 → 次回、「骨を惜しむ」で登場します。