教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

退職後を生きる(その1) 仕事を辞めるということ

仕事を辞めるということ

 

仕事を辞めるとどうなるか。

 

世界が変わります。

 

考えてみれば、保育所に行くようになった4歳のときから肩書きのない人生というのはありません。

4歳の「○○保育所 何某」から始まって、「○○大学 何某」という通学先が肩書きの人生が22歳まで続きます。

就職後は、「勤務先 何某」という人生が退職まで続きました。

仕事を辞めると、名前に肩書きが付きません。自覚できるようになってからの人生において、初めて肩書きのない生活が始まります。

 

肩書きのない、無所属の人生は、じつにすばらしい。

時計の回り方も、風景の見え方も、すべてが変わります。

 

私はカメラ好きで、デジタルカメラに移行しつつあった20年ほど前からは、ホームページを設けて風景写真をアップしています。

在職中は、どこかへ出かけた折の特別な写真が対象でした。

それが、退職を機に、我が家の周辺を撮るようになりました。その景色や花が最も輝いて見える時期、天候、時間にカメラを向けられる贅沢。季節の移ろいを歳時記のようにアップし、7シーズン目を更新中です。

寝るための場所だった「ふるさと」を、これほど愛しく見つめたことは今までありませんでした。

 

退職のとき、再び収入を得るための仕事には就かないと決めていました。

そして、自由な時間を地域ボランティアや学校ボランティアに使うことにしました。求められるままに引き受けていたら、いくつもの活動に参加することになり、それはそれで充実した時間です。(コロナ禍で中断した活動も多くありますが…)

 

私は、無趣味な人間だと思ってきました。

仕事を辞めたらどうして過ごそうかと心配していました。

しかし、それは杞憂に終わりました。

セカンドライフはじつに楽しいです。

 

風の吹くまま気の向くまま、時間はたっぷり。ないのはお金だけ…。

そんな退職後のくらしを、少しばかり書き記してみようかと思います。