教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

退職後を生きる(その2) 退職の家計簿

退職の家計簿

 

定年まで働いて、あとは年金生活……1970年代の終わりに職に就いた私は、漠然とそう思っていました。

 

私自身も含めて、教師にはお金に疎い人が多いです。給料の「明細書」をちゃんと読めない人だっていっぱいいます。どれほどの税金を払い、どれほどの社会保険料を払い、どれほどの年金掛け金を払っているのか。

とんと無頓着です。それでも、諸々を差し引いた「手取り」さえ分かれば生活できます。現役の間は。

 

退職するということの意味が分かるまでに、さほど時間を要しませんでした。

3月末で退職すると、6月に住民税の通知が届きます。住民税は前年の所得が対象ですので、結構な金額になります。現金納付です。

医療保険国民健康保険に加入することになりますので、これも前年の所得から計算すると家族構成等で違いがありますが大きな額になります。

さらに、60歳までに退職すると、国民年金の保険料も必要です。

当然のことながら、給料の口座振り込みはもうありません。預金通帳は、出金記録のみになります。

厳しい現実です。

 

私の年齢では、満62歳になると厚生年金(いわゆる2階部分)の支給が始まりました。民間企業に勤めていた同級生の場合は、60歳(男性の場合)から3階部分が支給されていたようです。公務員は3階部分も満62歳からでした。

個人年金等の蓄えに頼りつつ厚生年金開始までをしのぎ、満65歳の国民年金(いわゆる1階部分)支給開始までをつなぎます。

 

もはや厚生年金も含めて65歳支給開始ですから、定年後を無収入で過ごすことは現実的な選択とは言えません。再任用(雇用延長)等で働き続けるというのが、一般的な選択になるのでしょう。それでも収入は幾分(あるいは相当)減りますが。

 

自分の時間を楽しむという生き方は、65歳(もしくは70歳)以後という時代になりそうです。

65歳からを「老後」と言うようです。

「老後」のたっぷりとある自分の時間を楽しむ生き方は、いかにお金をかけずに充実させるかという1点に尽きます。金欲と物欲にまみれた生活から脱却できるかがカギです。