五重塔とは何か
いよいよ(というより、やっとのことで)五重塔の登場です。
そもそも「五重塔」とは何なのでしょう。
「Wikipedia」の記事より引きます。
五重塔
五重塔(ごじゅうのとう)は、仏塔の形式の一つ。層塔と呼ばれる楼閣形式の仏塔のうち、五重の屋根を持つものを指す。下から地(基礎)、水(塔身)、火(笠)、風(請花)、空(宝珠)からなるもので、それぞれが5つの世界(五大思想)を示し、仏教的な宇宙観を表している。仏塔は、古代インドにおいて仏舎利(釈迦の遺骨)を祀るために紀元前3世紀頃から造られ始めたストゥーパに起源をもっている。古代インドのストゥーパは饅頭形(半球形)のものであったが、この形式が中国に伝えられると楼閣建築の形式を取り入れて高層化するようになった。こうした楼閣形の層塔は、朝鮮半島を経て日本へ伝えられた。木造の層塔は日本に多く残っており、中国・朝鮮半島における遺例は極めて少ない。
仏塔
仏塔(ぶっとう)とは、仏舎利(釈迦の遺体・遺骨、またはその代替物)を安置した仏教建築をいう。卒塔婆(そとば)、塔婆(とうば)、塔(とう)、ストゥーパ(梵: Stūpa、巴: thūpa)、供養塔とも呼ばれる。ストゥーパ(サンスクリット語: स्तूप, stūpa)とはサンスクリット語で「高く顕れる」という意味であり、仏教の世界観である涅槃の境地を象徴している。 ストゥーパが古代インドから中国に仏教が伝来した際、は「卒塔婆」と音訳された。「塔婆」や「塔」はこの略である。
※下線部分の記述が曖昧です。
「Wikipedia」の別欄表記から次のような変遷が考えられます。
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中国語 窣堵坡 (拼音: sūdǔpō)
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韓国語 솔도파 (RR: soldopha)
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日本語 卒塔婆, 舎利塔 (ローマ字: sotōba, sharitō)
仏教がインドで生まれ、中国や朝鮮半島を経て日本に伝わったのですから、仏教寺院の様式も同様のはずです。
「Wikipedia」の記事を整理します。
■「ストゥーパ」は、仏舎利(釈迦の遺骨)を祀るためのもの、仏教の世界観である涅槃の境地を象徴している。
■ストゥーパは饅頭形(半球形)のものであったが、中国に伝えられると楼閣建築の形式を取り入れて高層化するようになった。
■五重塔は、仏塔の形式の一つである。層塔と呼ばれる楼閣形式の仏塔のうち、五重の屋根を持つものを指す。
■五重塔は、下から地(基礎)、水(塔身)、火(笠)、風(請花)、空(宝珠)からなり、それぞれが5つの世界(五大思想)を示し、仏教的な宇宙観を表している。
五大思想とは、万物は空、風、火、水、地の五大から構成されているという、インド古代の宇宙観です。
五重塔が五大思想を表しているとしても、中国に残る八角木塔や韓国の五重塔は法隆寺のものよりずっと後のものです。五重塔が日本独自のものとして誕生したのか、中国や韓国に原型があったのかは私には分かりません。