飛鳥人の美意識(装飾)
法隆寺五重塔の一層目を組み立てると、このようになります。5㍉の角棒を使っていますので、縮尺を戻して60倍すると30㌢角になります。なお、一番上の井桁組は2層目のベースになります。
やや下から見上げると、こんな感じになります。実物を見上げる角度に近くなります。
注目してほしいのは、支えの部材です。
実物を見ます。写真は1つ上の層ですが、構造は同じです。
支えの部材に、装飾が施されていることが分かります。
支えるという実用面からすれば、私作のようなものでこと足ります。道具が限られていた時代です。ノミを使って細工をしたのでしょう。その手間の全ては美しさのためです。飛鳥人(あすかびと)の美意識、おしゃれ感覚の高さを感じます。
さらに、法隆寺五重塔は構造上の問題から(これについては後の稿で触れます)、「つっかい棒」が必要になりました。つっかい棒とはあまりに無粋、なんとそこには仏像を置いたのです。
初層のつっかい棒として、四隅に2種類の邪鬼が置かれています。
4僧の屋根の上には、5層のつっかい棒として四隅に仏像が置かれています。