教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

きょうは何の日 6月13日

「小さな親切運動」スタートの日

 

6月13日は「小さな親切運動」がスタートした日です。

その経緯について、公益社団法人「小さな親切」運動本部のHPには次のようにあります。

「小さな親切」運動本部について
初代 茅誠司1963年(昭和38年)3月の東京大学の卒業式で、茅誠司総長(当時)は卒業生向けて次のような言葉を送りました。

「“小さな親切”を、勇気をもってやっていただきたい。そしてそれが、やがては日本の社会の隅々までを埋めつくすであろう親切というなだれの芽としていただきたい。
大学で学んだ様々な知識や教養を、ただ頭の中に百科事典のように蓄えておくだけでは立派な社会人とはなれません。
その教養を社会人としての生活の中に生かしていくには、やろうとすれば誰でもできる“小さな親切”を絶えず行っていくことが大切です。
“小さな親切”はバラバラな知識を融合させる粘着剤の役目を果たすのです」

「小さな親切」運動は、茅誠司と、この卒業告辞に感銘を受けた人々が提唱者となり、卒業式から3ヶ月後の6月13日にスタートしました。
同時にこの運動を推進する事務局として、「小さな親切」運動本部が発足しました。

現在「小さな親切」運動本部は、「小さな親切」を前提とする社会道義の確立に寄与することを目的に、全国32道府県本部、135市町村支部とともに、次世代を担う青少年をはじめ広く国民の間に「小さな親切」の心を育てる様々な活動を行っています。

 

「小さな親切」も時代とともに変わるもの。同本部HPに掲載の「日本人の親切 今・昔」より抜粋して紹介します。

昭和38年の親切の例
小学5年生の女子
とても混み合った銭湯で座れずに困っているおばあさんのために、空いた場所を見つけ、背中を流してあげた

高校2年生の男子
重いリヤカーを引いて坂道で困っている人を見つけ、後ろから押してあげた

中学2年生の男子
お両手に大きい風呂敷を持って歩いているばあさんに、「荷物を持ってあげましょう」と声をかけ、たずねる家まで送っていった

近年の親切の例
小学6年生の男子
遊び場になっている地域の神社にゴミが散乱していたので、友人4人が協力してゴミ拾いを行なった

小学5年生のとあるクラス
学習の一環として1年かけて栽培した青菜を漬物にして販売、収益金を盲導犬の育成に寄付した

小学生の兄妹
交通量が多く横断できなかった車椅子のお年寄りの為に、車を止め安全に渡らせてあげた

中学3年生の女子2名
中学の入学式の前日、二人の生徒が一旦下校したあと再度学校に出向き、新入生のために3時間あまりかけて下足棟を清掃した

 

現在、「小さな親切」運動は、中央本部と全国32道府県本部、135市町村支部によって組織、運営されています。

 

教員にとっても子どもたちにとってもなじみ深いのは、「小さな親切」作文コンクールでしょう。

「小さな親切」作文コンクールは、親切体験を作文に書くことで、子どもたちに人を思いやる心や言葉について、改めて考えてもらうことを目的に1976(昭和51)年よりスタートし今日に至っています。

今年も夏休みの課題に加わるかな。