教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

きょうは何の日 11月25日

女性に対する暴力廃絶のための国際デー

 

「女性に対する暴力撤廃の国際デー」(International Day for the Elimination of Violence against Women)は、毎年11月25日に定められた国際デーです。
女性に対するあらゆる形態の暴力の撤廃に取り組むため、1999年に国連によって制定されました。


1960年11月25日、ドミニカ共和国で、ラファエル・トルヒーヨの独裁政治に反対し続けていた活動家のミラバル姉妹(長女パトリアメルセデス、三女ミネルバ・アルヘンティーナ、四女アントニア・マリア・テレサの33人)が暗殺されました。
ミラバル3姉妹は「六月十四日運動」として知られる反トルヒーヨ政権グループを形成するなど、トルヒーヨの独裁政権に対する反対運動に身を投じていました。ミラバル3姉妹の死は大衆の大きな怒りを招き、6ヵ月後のトルヒーヨ暗殺の一つのきっかけになったと考えられている。


1981年の第1回ラテンアメリカカリブ海地域女性会議では11月25日を女性に対する暴力に対する闘争と啓発の日とされました。さらに、国連総会で1999年12月17日に国際連合総会決議により採択されました。

 

国連では、女性に対する暴力撤廃の国際デーから12月10日の世界人権デーまでの16日間は性差別による暴力廃絶活動の16日間とされています。

日本では、2001(平成13)年から総理府(現:内閣府)が、「女性に対する暴力をなくす運動」として11月12日から11月25日を最終日とする2週間実施しています。
女性に対する暴力根絶のシンボルであるパープルリボンにちなんで、初日の11月12日に東京タワーや東京スカイツリーなどを紫色にライトアップする「パープル・ライトアップ」を実施しています。

 

女性に対する暴力
1993年、国連は『女性に対する暴力撤廃宣言』で、女性への暴力を「ジェンダーに基づく暴力」と定義し、5種類に分類しました。

ジェンダーに基づく暴力(国連難民高等弁務官事務所<UNHCR>による分類)
1 性的搾取・虐待を含む「性暴力」
2 殴る蹴るなどの「身体的暴力」
3 言葉やいじめによる「心理的暴力」
4 女性性器切除などの「身体的に有害とされる伝統的慣習」
5 社会的疎外や貧困といった「社会的・経済的暴力」

 

 

「国連ウィメン日本協会」のHP(UN WOMEN日本事務所)に掲載された2021年の記事です。

女性に対する暴力撤廃の国際デー(11月25日)に寄せる国連事務総長とシマ・バホスUN Women(国連女性機関)事務局長の声明
日付: 2021年12月1日水曜日

 

 

本日は女性に対する暴力撤廃の国際デーです。

ここ国連で、そして世界中で、私たちは女性と女児を保護し、彼女たちの人権を守るために取り組んでいる人々を称えます。また、政府、組織、機関、地域団体や世界中の人々を含む新たなパートナー達が私たちに加わり、声を上げ、人々の生活に変革を起こすために、16日間のキャンペーン期間中だけでなく日々協力することを歓迎します。

女性に対する暴力は世界的な危機です。近所のいたる所で、危険にさらされている女性と女児がいます。世界中で、紛争、気候関連の自然災害、食糧不足、人権侵害が女性に対する暴力を悪化させています。女性の70%以上が、何らかの危機的状況でジェンダーに基づく暴力を経験しています。そして、富める国でも貧しい国でも、ジェンダーに基づく偏見が女性と女児に対する暴力行為に拍車をかけています。

汚名、恥、加害者に対する恐怖心、女性に不利に働く司法制度への不安によって女性たちは沈黙させられ、女性に対する暴力はしばしば報告されないままとなっています。新型コロナウイルスパンデミックとそれに伴う孤立や隔離により、可視化されない暴力が可能となりました。女性と女児に対する暴力の第二の陰のパンデミックでは、女性たちは暴力の加害者とともにロックダウン(封鎖)状態に陥りました。世界のあらゆる場所で、女性に対する暴力の相談窓口への報告が増加しました。

安全、尊厳、平等、正義の権利を含む女性の人権は、国際法の核となる原則です。そして私たちは、女性のリーダーシップと安全が多様な方法で経済発展、地域福祉、子供の健康と教育などにおいて重要な役割を果たすことを知っています。女性の人権が支持されるとすべての人は恩恵を受け、女性の権利が侵害されると私たち全員が苦しみます。

しかし希望はあります。近年、女性と女児に対する暴力を防止・削減するために多くのことが達成されてきました。現在の課題は、グローバルな取り組みを拡大しより多くの人々の生活に変化をもたらすことです。私たちは、すべての年齢の女性が必要不可欠なサービスを利用でき、これらのサービスにアクセスできるようにする必要があります。私たちは、女性が意思決定に安全に参加できるオンラインおよびオフラインの環境を支援する必要があります。

新たな機会が開かれています。昨年の夏、世界の女性と女児のための総額400億米ドルのコミットメントの一環として、平等を目指す全ての世代フォーラムはジェンダーに基づく暴力に関する行動連合を立ち上げました。行動連合は、若者、市民社会、信仰に基づく団体、慈善活動、民間部門、国際組織、国連加盟国など、さまざまな女性団体やその他関係者を結集しています。暴力の生存者(サバイバー)への支援サービス、法的枠組み、草の根団体のためのより多くの資金提供などの重要な分野において、具体的な財政支援と政策に関するコミットメントと規模を拡大した取り組みが生まれるでしょう。

本日、女性に対する暴力撤廃の国際デーも刺激的な希望を生んでいます。真の変化を生み出すことを目的とした一連のイベントである、毎年恒例の「ジェンダーに基づく暴力撤廃に向けた16日間のキャンペーン」が始まります。2021年のテーマは「世界をオレンジ色に:今すぐ女性に対する暴力を終わらせよう!」です。「オレンジ色」は暴力のない明るい未来を象徴します。奮ってご参加ください。

あらゆる場所で活動する女性団体と関係者は、今までの進歩を成し遂げるのに不可欠な存在でした。これからも私たちは一緒になって、世界中のより多くの女児と女性の生活をより良く、より明るいものとすることができます。

 

女性に対する暴力撤廃に向けて、あなたにできる10の行動
女性に対する暴力撤廃に向けて、あなたにできる10の行動を紹介します。
日付: 2021年11月26日金曜日