教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

きょうは何の日 3月19日

カメラ発明記念日

 

1839年3月19日、フランスのルイ・マンデ・ダゲールが写真機を発明しました。

 

「雑学ネタ帳」より引用します。

1839年のこの日、フランスの画家・写真家のルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(Louis Jacques Mandé Daguerre、1787~1851年)が写真機を発明した。

この写真機は発明者の名前をとって「ダゲレオタイプ(daguerréotype)」と呼ばれ、長時間露光させるため写真機の前で長い間じっとしていなければならなかったが、大変な人気を集めた。ダゲレオタイプは銀メッキをした銅板などを感光材料として使うため、日本語では「銀板写真」とも呼ばれる。

ダゲールは当時のフランスを代表する科学者フランソワ・アラゴ(François Arago、1786~1853年)に新たな写真技術への推薦を求めたところ、アラゴはその有益性を認めてこれをフランス政府に推挙した。

フランス政府は公益のため、ダゲールへ補償として終身年金を支給することで、写真技術を一般に公開した。その結果、銀板写真法は19世紀中期、世界中で急速に普及することになった。

関連する記念日として、1977年(昭和52年)11月30日、世界初の自動焦点(オートフォーカス)カメラ「コニカC35AF」が発売されたことから、11月30日は「オートフォーカスカメラの日」となっている。

 

「ガジェット通信」の記事によると、カメラ発明記念日を3月19日とすることには異説もあるようです。

実はこの「カメラ発明記念日」が異なるかもしれないという説があるのだ。3月19日には発明の日といえる記録は残っておらず、実際に発明が認められたのは8月19日だという。この日はフランスの科学アカデミーが開催され、その日に公式に公開された。8月19日、3月19日。どうやら「8」と「3」を誤植あるいは見間違えた可能性が高い様だ。もちろん200年近く前の出来事なので事実は不明だ。

3月19日であっても8月19日であっても、1839年の発明であることには相違ありません。

 

「tenki.jp 」に掲載された記事を紹介します。

180年にわたる写真の進化の歴史をたどる

ダゲレオタイプの感光材料からフィルムへ

「カメラ発明記念日」は、諸説あるものの、今から180年前の1839年にフランスのルイ・マンデ・ダゲールが「ダゲレオタイプ」と呼ばれる写真機を発明したことに由来します。このダゲレオタイプとは、銀メッキを施した金属板などを感光材料として使う世界初の実用的写真技法で、日本では銀板写真とも呼ばれています。

発明当初のダゲレオタイプの露光時間、つまりシャッタースピードは明るい日中でも15~30分かかったそうです。撮られる人は写真機の前で長時間じっとしていなければいけないため、後ろから首を固定するつっかえ棒や、体を支える台などが使われていたとか。しかも、この時代の感光材料やカメラはサイズが大きく、取り扱いや持ち歩きに不便なのも難点でした。

こうした点を改良し、現在の写真フィルムにつながる「高感度で薄く、巻き取って扱える」モノクロのロールフィルムが、1888年アメリカのイーストマン・コダック社から発売されます。その後、1935年にはカラーフィルムが、さらに1948年には撮影した直後にプリントが見られるインスタントフィルムが登場し、写真技術の発達はさらに加速していきました。


フィルムの進化とともにカメラ本体も小型化・高性能化

エルンスト・ライツ社の「ライカA型」
フィルム技術の発達にともなって、カメラ本体の小型化・高性能化も進んでいきます。1925年にはドイツのエルンスト・ライツ社が、手持ちで撮影できる小型の高性能カメラ「ライカA型」を発表。これが現代のフィルム式カメラの基本形となり、世界で最も普及した35mm幅のフィルムも、この時に誕生した規格が基準となっています。

これ以降、カメラは世界中のさまざまなメーカーで製造されるようになり、レンズやフィルムの技術開発によって、さらにコンパクトな高性能カメラが登場。1977年には日本のコニカから、世界初のオートフォーカスカメラ「C35AF」が発売され、「ジャスピンコニカ」の愛称で親しまれました。

また、1986年にはフジカラーが、カメラのいらないレンズ付きフィルム(使い切りカメラ)「写るんです」を発売。写真は一般市民にとってますます身近な存在となっていきました。

ちなみに、この「写るんです」の一部モデルは現在も製造・販売されており、レトロ感覚のアナログな撮影アイテムとして若い女性に人気を集めているそうです。


フィルムが不要なデジタルカメラが登場

カシオのデジタルカメラQV-10
さらに1980年代には、これまでフィルム全盛だった写真技術に劇的な変化が起きました。画像を電気信号に置きかえて記録するビデオカメラ(動画)の開発を受け、スチル(静止画)の世界にも電子式カメラが登場したのです。

以後、画像技術の電子化の流れは加速し、写真はアナログからデジタルへと移行していきます。当初、デジタルカメラはプロ向けの製品が中心で高額でしたが、1990年代にはさまざまな普及モデルが登場しました。

そのひとつとして日本で注目を集めたのが、1995年に発売されたカシオのデジタルカメラQV-10」です。320×240ドットという低解像度で、ズームもフラッシュも付いておらず、電池もすぐなくなるといった欠点はありましたが、フィルムのいらない画期的なカメラとして大ヒット。デジタルカメラ市場の発展に貢献した国産モデルとして、2012年には国立科学博物館重要科学技術史資料(未来技術遺産)に認定されました。


携帯電話の普及とともに写真はデジタルの時代へ

そして21世紀に入ると、デジタルカメラは携帯電話にも搭載されるなど、一般的な撮影装置として社会に広く浸透し、現代の写真技術の中心的な存在になりました。さらに近年は、コンパクトデジカメやスマホの普及とともに高解像度が急速に進み、誰でも簡単・手軽に高画質の写真が撮れるようになったのです。

── 以上、カメラの発明とともに進化を遂げてきた写真の歴史を振り返ってみました。ダゲレオタイプの写真機が登場した当時、写真がここまで進化するとは誰も想像しなかったでしょう。発明から180年の年月を経て、いま当たり前のように使われているデジタルカメラですが、人類史に残る驚くべき技術革新といっても過言ではありません。