教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

説明文を読む(10)5年「言葉の意味が分かること」①

5年「言葉の意味が分かること」(光村図書)①

 

「言葉の意味が分かること」は、「文章の要旨をとらえ、自分の考えを発表しよう」という単元を構成する2つの教材の1つで、「本教材(主教材)」の位置づけです。

 

 

単元の配当時間は7時間で、そのうち「言葉の意味が分かること」には5+1/2時間が充てられています。

「言葉の意味が分かること」の5+1/2時間のうち、「読み」に与えられたのは第2時の後半から第3時までの1+1/2時間です。

 

第2時の後半

1学習の見通しをもつ。

 ・「言葉の意味が分かること」を読み,感想をもつ。

第3時

2各段落の内容を簡潔にまとめながら,構成と内容を確かめる。

3文章構成や事例の挙げ方,原因と結果の関係,事例と筆者の考えの結び付きなどを確かめる。

4文章の要旨を150字以内でまとめる。

 

配当時間と学習内容を見ると、「各段落の内容を簡潔にまとめながら」というのが「各段落の要点をまとめる」という意味ならば、この時間配当では私には無理です。時間配当を組み替えるか、思い切った重点指導に絞り込むか、対策が必要です。

 

 

「言葉の意味が分かること」の指導については、2020年秋に書いたことがあります。

yosh-k.hatenablog.com

再掲します。

 

「言葉の意味が分かること」の要旨をとらえる(その1)

 

「文章の要旨をとらえ,自分の考えを発表しよう」はこの単元の単元名であると同時に、単元目標でもあります。

単元目標は大きく2つに分かれ、その1つが「文章の要旨をとらえることができる」です。

つまり、「見立てる」と「言葉の意味が分かること」という2つの教材の学びを通して、子どもに「要旨のとらえ方」のスキルが育たなくてはなりません。

 

「尾括型」文章の「要旨のとらえ方」は、「おわり」の段落の要点が要旨です。要約と混同するような指導さえしなければ、とくに問題はありません。

 

「両括型」文章の「要旨のとらえ方」は、「はじめ」と「おわり」の段落の要点をベースにまとめます。その際、題名やキーワードも大きなカギになることを練習文「見立てる」で学びました。

 

いよいよ、本文「言葉の意味が分かること」に挑戦です。

 

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文章構成図は、見える場所に掲示します。

これは「尾括型」の図ですが、これが基本です。今回は、「はじめ」の部分に青色の囲みを重ね張りして「両括型」を意識させます。

重ね張りのタイミングですが、

クラスに力がある場合は、段落分けで「はじめ」に「問い」がなく、「主張」が書かれていると子どもが見つけた時点で、

クラスに力がない場合は、段落分けの前に「通告」します。

 

 

まず、全文の形式段落に番号を付けます。

 

次は、段落分けです。

「はじめ」の段落を見つけます。

「問い」の文は、疑問文です。「主張」の文は、文末が断定表現です。

つづいて「おわり」の段落を見つけます。

残りが「なか」になります。この文は「なか」が2つに分かれますので、それもやっておきます。

 

「言葉の意味が分かること」には12の形式段落があり、「はじめ」が①段落で「おわり」が⑪・⑫段落です。「なか」は、②~④(「なか 1」)と⑤~⑩(「なか 2」)にわかれます。さらに「なか 2」は、⑤~⑦と⑧~⑩に細分化することもできます。

 

本文のあとの「学習」ページに、学びの進め方が提示されています。

そこに、「要旨のまとめ方」が示されています。

要旨をまとめるときには、次のことに気をつけよう。

・文章の話題と、全体の構成を確かめる。

・筆者の考えをまとめる。 

 

 構成についてはすでにくり返し触れてきました。筆者の主張が「はじめ」と「おわり」の段落に出てきます。

 

「話題」については、

話題のとらえ方の《ワザ》

 

文のつながりぐあいから「話題」をとらえる。

 

〈ヒント〉

(1)はじめの文の主語はどうか

(2)終わりの文の主語はどうか

(3)何回も出てくることばはないか

 というスキルを紹介しているページ(国語力を磨こう ④ 話題/中心語句/中心文/中心段落)をご覧ください。

 

(1)はじめの文の主語はどうか

はじめの文の主語は「あなたは」ですが、はじめの段落の中心文の主語は「『言葉の意味が分かる』ことは」です。

(2)終わりの文の主語はどうか

終わりの文の主語は省略されています(「みなさんは」が主語です)。おわりの段落の中心文の主語は、「言葉の意味を『面』として考えることは」です。

(3)何回も出てくることばはないか

「言葉の意味」(題名を含めて11回出てきます)

さらに、「言葉の意味」に付随して「分かる」「広がり」「面」という言葉が多く出てきます。

以上のことから、話題は「言葉の意味が分かる」「言葉の意味の広がり」といった「言葉の意味」に関することだと分かります。

 

さあ、「外枠」の準備は整いました。