教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

説明文を読む(22)4年「世界にほこる和紙」②

「世界にほこる和紙」の読みの続編です。

初め

「わたしは、和紙のことをほこりに思っています。そして、より多くの人に和紙のよさを知ってもらい、使ってほしいと考えています。」(筆者の主張)

「なぜなら、和紙には洋紙にはないよさがあり、和紙を選んで使うことは、自分の気持ちを表す方法の一つだからです。」(第②段落)

 

「和紙には、洋紙とくらべて、やぶれにくく、長もちするという二つのとくちょうがあります。」(第③段落)

「なぜ、日本には、和紙を作っている所がこんなに(二百か所)ものこっているのでしょうか。それは、わたしたちが、和紙の風合いを美しいと感じ、自分の気持ちを表す方法の一つとして、和紙を選んで使ってきたからなのではないかと考えています。」(第⑦段落)

つまり、

「和紙のよさ」・「和紙のつよさ」=「紙のやぶれにくさ」&「紙が長もちする」

「自分の気持ちを表す方法」

 

終わり

「このように、和紙のつよさと、使う紙を選ぶわたしたちの気持ちによって、長い間、和紙は作られ、さまざまなところで使われ続けてきたのだと、わたしは考えています。」

「みなさんも、世界にほこる和紙を、生活の中で使ってみませんか。」(読者への呼びかけ)(第⑩段落)

 

いよいよ、要約です。

まとまりごとに中心となる語や文を確かめ,それを用いて文章全体を200字以内で要約する。」というのが与えられた課題です。

 

「要約」については、4年生の6月教材「【じょうほう】要約するとき」(2時間)で既習です。

言葉の整理をしておきましょう。

■ 「要点」…形式段落を短くまとめたもの。段落の中心文を見つければよい。

■「要約」…文章全体を短くまとめたもの。基本的には、各形式段落の要点をつないでいくと「要約」になる。
■「要旨」…その文章で筆者がもっとも言いたいこと。一般的に「まとめ」の段落の「要点」が「要旨」である。

 

教材文に戻ります。

まとまりごとに中心となる語や文を確かめ…要約する。」とありますので、ここでは3つのまとまりの要点をつないでいきます。

「初め」

わたしは、和紙のことをほこりに思っています。そして、より多くの人に和紙のよさを知ってもらい、使ってほしいと考えています。なぜなら、和紙には洋紙にはないよさがあり、和紙を選んで使うことは、自分の気持ちを表す方法の一つだからです。

「中」

和紙には、洋紙とくらべて、やぶれにくく、長もちするという二つのとくちょうがあります。
日本には、和紙を作っている所が二百か所ものこっています。それは、わたしたちが、和紙の風合いを美しいと感じ、自分の気持ちを表す方法の一つとして、和紙を選んで使ってきたからなのではないかと考えています。

「終わり」
このように、和紙のつよさと、使う紙を選ぶわたしたちの気持ちによって、長い間、和紙は作られ、さまざまなところで使われ続けてきたのだと、わたしは考えています。みなさんも、世界にほこる和紙を、生活の中で使ってみませんか。

361字あります。

 

通常、要点をまとめるときは文末表現を常体にします。

わたしは、和紙のことをほこりに思っている。そして、より多くの人に和紙のよさを知ってもらい、使ってほしいと考えています。なぜなら、和紙には洋紙にはないよさがあり、和紙を選んで使うことは、自分の気持ちを表す方法の一つだからだ。
和紙には、洋紙とくらべて、やぶれにくく、長もちするという二つのとくちょうがある。
日本には、和紙を作っている所が二百か所ものこっている。それは、わたしたちが、和紙の風合いを美しいと感じ、自分の気持ちを表す方法の一つとして、和紙を選んで使ってきたからなのではないかと考えている。
このように、和紙のつよさと、使う紙を選ぶわたしたちの気持ちによって、長い間、和紙は作られ、さまざまなところで使われ続けてきたのだと、わたしは考えている。みなさんも、世界にほこる和紙を、生活の中で使ってみませんか。

354字。なお154字のオーバーです。

 

「初め」と「終わり」は内容が重複します。また、「初め」の「和紙のよさ」、「終わり」の「和紙のつよさ」というのは、「中」の「やぶれにくく、長もちするという二つのとくちょう」を指しています。

ここでは、「筆者の主張」と「読者への呼びかけ」を入れて200字以内にまとめてみました。

わたしは、より多くの人に和紙のよさを知ってもらい、使ってほしいと考えている。
なぜなら、和紙には洋紙にはないよさがあり、和紙を選んで使うことは、自分の気持ちを表す方法の一つだからだ。
和紙には、やぶれにくく、長もちするという二つのとくちょうがある。また、和紙の風合いを美しいと感じ、自分の気持ちを表す方法の一つとして、和紙を選んで使ってきた。
みなさんも、世界にほこる和紙を、生活の中で使ってみませんか。

                               (199字)

唯一絶対の正解などありません。中心文(キーセンテンス)、中心語(キーワード)が含まれていて、200字以内という条件満たしていればいいでしょう。