初回は、「文」と「主語・述語」です。小学校低学年で指導する内容です。
1 文章を文ごとにわける
文章を文ごとにわける《ワザ》
(1)どこまでが「。」(マル)かをさがす。
(2)マルが見つかったら、文頭に①②③…と番号をつける。
【練習】身近にある文章を用意してください。いくつの文に分けられるでしょう。文のはじめに番号①②…をつけましょう。
※ 文に分けるポイントは、「。」です。そんなこと分かってるってことは分かってますが、このポイントが指導する立場になった時には押さえるべきポイントになるのです。以後、太字部分は自身の理解の振り返りポイントであると同時に、指導する際のキーポイントとしてマスターしていってください。
2 会話文の四つの型
(1)サンドイッチ型…文の真ん中に「 」のあるもの
・弟が、「さあ、食べよう。」と言いました。
(2)前づけ型…文の始めに「 」のあるもの
・「はい」と、私は答えました。
(3)後づけ型…文の終わりに「 」のあるもの
・お母さんがよびました。「まさこ、おいで。」
(4)ひとりだち型…会話だけで一文になっているもの
・サンボを食べようとしました。
「ぼくを食べないでください。…。」
とらは、サンボの赤いうわぎをとりあげました。
3 主語・述語を見分ける
主語・述語を見分けるヒント
(1)主語は、「…は~。」「…が~。」のように、「は」や「が」のつくことばを見 つけ出す。
(2)述語は主語に対して、それが〈どうだ〉〈なんだ〉〈どんなだ〉を表していることばをさがす。マルがついた文の終わりのことばをさがす。
(3)主語が分からないときは、述語を先にさがす。そして、〈そうなったのは なにか〉と考える。
【練習】身近にある文章を用いて、主語に傍線を引き、述語を四角で囲みましょう。
(3)の例として、次のようなものがあります。
・春休みの一日、家族そろって動物園に行った。
この文には主語がありません。学習理解に課題をもつ子には、(1)・(2)のやり方と(3)のやり方が別種の課題として映ることもあります。はじめから(3)のやり方で指導すれば、そうした子の混乱を避けられますし、2倍の負担を強いることもありません。
まず、述語を見つける。そして、それに対応する主語を見つける。ーーこのやり方は、先の例文の主語を問うような問題に有用です。「行った」のは誰かと少し前の文をたどって「私は」という言葉があれば、それが主語になります。また、こうした文の要点をまとめる時も、主語を補って「私は、…行った」となります。