小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第6回は「腕を上げる」です。
教科書の表記は「うでを上げる」です。
腕を上げる
「腕を上げる」の読み方
うでをあげる
「腕を上げる」の意味
① 技術が上達する。腕前を進歩させる。
② 飲める酒の量が、前より多くなる。(精選版 日本国語大辞典)
「腕を上げる」の使い方
「十七の歳鉄砲鍛冶になって、わづか二年ばかりの間に驚くほど腕(ウデ)を上(ア)げて」(尾崎紅葉『二人女房』)
「腕を上げる」の語源・由来
「腕」には次のような意味があります。(広辞苑)
➊手の部分。
①ひじと手首との間。〈倭名類聚鈔3〉
②肩口から手首までの部分。かいな。
➋腕に宿る力。腕力。転じて、腕前。技量。武芸のたくみさ、職人などの技術などにいう。「―に覚えがある」「―がいい」
➌人間の腕に形などが似たもの。
①腕木。腕かけ。
②下等動物の、物をつかむ働きをする器官。ヒトデの腕など。
また、「上げる」には次のような意味があります。(広辞苑)
➋価値・資格・程度・勢いなどを高める。
④技能などを高度にする。上達させる。日葡辞書「ガクモンナドノイロヲアグル」。「腕を―・げる」
「腕を上げる」は、「腕に宿る力」という「腕」の含意がもとになっているということになります。
「腕を上げる」の蘊蓄
「腕を上げる」と同じく「武芸のたくみさ、職人などの技術など」の意味をもつ「腕」のつく慣用句
腕が立つ
腕が鳴る
腕に覚えがある
腕に縒をかける(うでによりをかける)
腕をさする
腕を撫す(うでをぶす)
腕を振るう