このところ新聞を開いて「SDGs」の文字を目にしない日はありません。
政府も企業も学校も…、みんなそろって「SDGs」。これって一体どういうこと?
よくよく目にするし耳にもするけれど、その実よく分かっていない「SDGs」。いまさら人に聞くのも気が引けるしなあと思いつつ、特集を組んでみました。
① SDGsってなに
「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」となります。
「持続可能な開発」とは、「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」のことを言います。
「開発」というと「ブルドーザーで自然を壊して…」といったイメージがつきまといますが、「①(天然資源を)生活に役立つようにすること。②実用化すること。③知識を開き導くこと。」(広辞苑)というのが本来の意味です。
SDGs(持続可能な開発目標)とは何でしょう。外務省のホームページには、次のように書かれています。
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
ここまで書いていて、ふとあることを思い起こしました。
20世紀の終わり頃、「21世紀は『人権の世紀』」というフレーズをよく耳にしました。
このフレーズは、「20世紀は『戦争の世紀』だった」というフレーズと対をなしていました。それは耳障りがよく、来るべき世紀に夢と希望を抱かせるものでした。
しかし、「人権の世紀」の意味するところは、そんな甘いものではありませんでした。
「人権が大切にされる世紀にしなければ、この社会は立ちゆかなくなる」というのが、そこに込められたメッセージでした。
「持続可能な開発」に込められたメッセージは、例えば目標に掲げた17のことを2030年を目途に取り組まなければ、世界は持続不可能に陥るということになるでしょうか。そこで「誰一人取り残さない」ということが協調されるのは、分断と孤立が進行していることへの警鐘でしょう。
SDGsは将来社会への夢や希望ではなく、将来社会に夢や希望を繋ぐための宿題です。