小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第12回は「猿も木から落ちる」です。教科書の表記は、「さるも木から落ちる」となっています。
猿も木から落ちる
「猿も木から落ちる」の読み方
さるもきからおちる
「猿も木から落ちる」の意味
その道に長じた人でも、時には失敗することがあるというたとえ。(広辞苑)
「猿も木から落ちる」の使い方
おい、幸田君、猿も木から落ちるさ。芝居は大きかったが幕切れはまずかったな。(久生十蘭『魔都』)
「猿も木から落ちる」の語源・由来
「猿も木から落ちる」というのは、木登りが上手な猿でもときには誤って木から落ちることがあるということが由来の語ですが、そもそもの語源は不明です。
参考までに、西武(さいむ)編の俳諧撰集『鷹筑波集(たかつくばしゅう)』(1642年)に次の記述があります。
猿も木から落るたとへの木葉かな
「猿も木から落ちる」の蘊蓄
「猿も木から落ちる」の類義語
河童の川流れ 《既出》
麒麟の躓き
孔子の倒れ
巧者の手から水が漏る
弘法にも筆の誤り 《既出》
権者にも失念
釈迦にも経の読み違い
上手の猿が手を焼く
上手の手から水が漏る
千里の馬も蹴躓く(せんりのうまもけつまずく)
千慮の一失
知者の一失
知者も千慮に一失あり
天狗の飛び損ない
念者の不念
百足のあだ転び
文殊も知恵のこぼれ
竜馬の躓き(りゅうめのつまずき)
なんと類語の多いことでしょう。人間は慢心の生き物、天狗になるなとの戒めですね。