教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ③

北海道キャンプ旅行 出発から4日目

1991年7月28日(日)


 街灯の下にクワガタが集まっていないかと期待して息子は早く目覚めたが、一晩中雨が降っていたと聞いて、また眠った。5時30分起床、6時50分出発。


 朝1番に再度キャンプ場近くのヒマワリ畑を訪ねた。圧倒される花の数である。駐車場横の売店のおじさんに聞いてみたが、「わからない」ほどあるらしい。

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最上部に「なかふらの」の花文字。冬はスキー場になる。

 

 士別市の郊外にめん羊牧場がある。9時半ごろに立ち寄った。たくさんの羊が広大な牧草地で草を食んでいた。息子は牧舎で羊に触ったり、わらを食べさせたりしていた。どこかニュージーランドを想わせる風景である。

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士別めん羊牧場


 朱鞠内湖は、湖畔の母子里(もしり)で1978年2月17日に氷点下41.2度という日本最寒気温を記録したことで有名である。静かな湖畔ではキャンパーたちが思い思いにテントを張っていた。レストハウスのワカサギのてんぷらは結構おいしかった。


 湖畔から美深(びふか)へ向かう国道は信州の高原を走っている気分にさせてくれる。もっとも美深峠でさえ450mしかない、低地の国道なのだが。林の間を走っているかと思えば、突然に一面のソバ畑が飛び込んでくる。北海道の奥の深さを改めて感じてしまう。


 美深から名寄へ戻っていく途中、北星駅辺りからダートを5㎞あまり走ると広大なヒマワリ畑があるという記事を見て、出かけてみた。川沿いのダートは林間に入り、最後は急な山道を一気に駆け上がる。坂を登り切った途端に、突如として広がるヒマワリ畑。これは感動ものだ。どれほどの広さなのか検討すらつかない。それほどに広い。冷夏の煽りで、つぼみはまだ少し固かった。一面に花を咲かせたら、まさに天国に続く花の絨毯といった体だろう。


 天塩川のほとりに美深森林公園キャンプ場がある。全面芝生のフィールドは無料。時折小雨が降るあいにくの天候だったが、その一角にテントを張った。すぐ近くには長崎から来た初老の夫婦がテントを張っていた。ゆっくりと時間が流れていく。いい夫婦だ。

※(補足)美深森林公園キャンプ場は、「森林公園びふかアイランド」として今も営業しています。ただし、1人400円と有料になったようです。当時いたチョウザメは今も続いているみたいです。

1991年に隣り合わせた長崎のご夫婦は1つの憧れでもありました。自分たちも退職したら…と思っていましたが、現実問題としてはこれほどのまとまった時間を作り出すことがむずかしいです。

 

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全面芝生のフィールドが気持ちいい

 何と言ってもここでの圧巻は、洗濯にある。炊事場の横に洗濯機が置いていたので、早速第1回目の洗濯に取り掛かった。しかし、なにぶん空模様が良くない。
一旦桜の木に結んだロープを車の中に張り直し、車は見事に乾燥場となった。キャンプというのは、何をやってもサマになる。


 夕飯はうずらの卵と銀杏のオイスターソース炒めと、焼きそば。野外での料理は何だって新鮮に感じる。うずら卵はビールのあてにGOOD。食後に入った宿泊施設の温泉は、格別に気持ち良かった。