教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

日本語探訪(その90) 慣用句「実を結ぶ」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第36回は「実を結ぶ」です。

  

実を結ぶ

 

「実を結ぶ」の読み方

みをむすぶ 

 

「実を結ぶ」の意味

努力の末、よい結果を得る。(広辞苑

 

「実を結ぶ」の使い方

長年の苦労がついに実を結んだ。 

 

「実を結ぶ」の語源・由来

「実を結ぶ」の語源・由来は、言葉の意味そのものにあります。

いずれも「広辞苑」によると、

「実(み)」には、「果実」や「中身。内容」の意味があります。

さらに「実る」には、「草木が実を結ぶ」や「成果があがる」という意味があります。

また、「結ぶ」には、「形をなす。また、結実する」という意味があります。

したがって「実を結ぶ」には、「植物の果実がなる」とともに、「植物の果実がなる」がごとくに「中身。内容」が「形をなす。また、結実する」という意味があるのです。

植物の場合は、種をまき(あるいは、苗を植え)、花が咲き、風や虫などの力も借りて受粉し、やがて「実を結ぶ」わけです。そのプロセスを人に置き換えたとき、「努力」「苦労」という言葉になります。つまり、「実を結ぶ」という語には、結実に至るまでのプロセスにおける「努力」「苦労」が前提としてあるのです。

  

「実を結ぶ」の蘊蓄

「努力」が報われると、「実を結ぶ」。

「努力」が報われないと…

水泡に帰す」(すいほうにきす)…努力のかいもなく無駄に終わる。